今日の言葉 1月17日
『古い精神は権威によって縛られている』
数限りない宗派や宗教、それからありとあらゆる迷信や恐怖の中で培われ、ひどく条件づけられてきた精神が、自らと訣別し、その結果、新しい精神をもたらすことができるだろうか? 古い精神とは本質的に権威によって縛られている精神です。私は法的な意味で権威という言葉を用いているのではありません。そうではなくて、伝統としての権威、知識としての権威、経験としての権威、外面的にであれ内面的にであれ、安全な場所を見つけてその中に留まるための手段としての権威のことを言っているのです。
こういった権威は、精神が自ら課した何らかの観念の権威かもしれませんし、真に宗教的な人間にとっては何の現実性もない、いわゆる神に関する宗教的観念かもしれません。が、観念は事実ではなく、フィクションです。神はフィクションなのです。あなたは神の存在を信じているかもしれませんが、それでもやはり神はフィクションであるのです。本当の意味で神を見出すためには、そのフィクションを完全に打破しなければなりません。なぜなら、古い精神は怯え、渇望し、死や生、そして関係を恐れている精神だからであり、意識していようがいまいが、永遠なるもの、安全の保証を常に求めているからです。
〜クリシュナムルティ著『四季の瞑想—クリシュナムルティの一日一話』より〜