[gtranslate]
高羽そらさんインタビュー

わたしの不思議体験 Vol.7

あなたは奇跡を体験したことがありますか?

心の底から愛を持って願えば、普通では起こり得ないことを体験するかもしれません。

生活を共にするという意味では、私と猫の出会いは高校生の時が初めてです。それは強烈で忘れることのできない出会いでした。

父は犬が好きでしたから、高校生までに犬を何度か飼ったことがあります。もちろん今でも犬は大好きで、機会があれば一緒に暮したいと思うことがあります。でも高校生の私にとって、猫はそういった存在ではありませんでした。

3月の末か4月の最初くらいだったと思います。ちょうど高校は春休みの時でした。いつものように新聞配達に出ようとすると、「ミャー、ミャー」という子猫の声が聞こえます。耳をすますとその場所は、我が家と隣の家の境界部分でした。小学校に入る前に越してきた長屋の借家を経て、小学校3年生の夏に父親が一戸建てを購入しました。すぐ近くの同じ山科です。実家は今でもそこにあります。

(猫が子供を産んだんや……)と思いつつも、真っ暗ですからよくわかりません。仕方ないのでとりあえず新聞配達に出かけました。そして新聞配達を終えてから、当時付き合っていた彼女と朝から会う約束をしていました。そこで猫好きの彼女を連れて私の自宅までやってきたのです。

声のしていた場所を探しましたが、子猫も親猫の姿もありません。人間に見つかったと思って、どこかに移動したのでしょう。諦めてどこかに遊びに行こうとしたとき、自宅の玄関近くの生垣の下に茶色い塊を発見しました。よく見ると、まだ目が開いていない生まれたての子猫です。

すぐに抱き上げてみましたが、全く呼吸をしていません。心臓も完全に止まっているようでした。親猫が子猫を移動させる時、もう命のないこの子を置いていったのだと思います。人間的な視点で見ると可哀相に思いますが、野生で生きる動物にとっては当然の選択なのでしょう。

消えてしまった小さな命を目の当たりにして、私は動揺していました。彼女と相談して近くの川に流してやろうと決めました。子猫は私が両手に抱いたままです。川まで歩いて10分くらいですが、まだ初春の川は冷たそうで小さな体を濡れさせるのは気の毒に感じました。やっぱり何か箱に入れて、土に埋めてあげようということになりました。

そこで再び自宅まで10分くらいを歩きました。子猫は完全に死んでいます。医学的な知識はありませんが、それは間違いないと感じていました。でも心のどこかでは諦めていなかったのです。全く体温のない冷たい体を両手で抱えながら、無意識に祈っていました。

(もしこの子に生きるべき運命があるのなら、どうか命を復活させてやってください。もう一度この世界を体験させてあげてください)

そう願いながら歩きました。誰に祈っていたのかもわかりません。ただ何か見えない力に向かって祈っていたのです。

自宅に着いても子猫に奇跡は起きませんでした。母親に声をかけて、小さな体が入る適当な箱を探してもらいました。そうして玄関で待っている時です。

手の中で子猫がピクッと、一瞬だけ動いたのです。驚いて確かめましたが、やはり呼吸はしていません。小さくて聞こえないのかもしれませんが、心臓は動いているように感じません。錯覚だと思って母親が持ってきた箱に入れようとすると、またピクッと動きました!

私は慌てて両手で子猫をマッサージしました。(どうか、この子を生き返らせてやってください)と心で叫びながら小さな体をさすり続けました。すると、定期的にピクッと動くのです。土で汚れた顔を拭いてやり、ミルクを鼻につけてあげました。

するとフ〜っと息を吹き返し、ミルクの鼻ちょうちんを作ったのです。笑いと一緒に涙がこぼれそうになりました。鼻の穴を塞ぐようにしていた土を取ってあげると呼吸をしています。そして、やがてか細い声で「ミャー!」と鳴きました。

この茶トラの女の子は「ゴンちゃん」という名前になりました。やんちゃでゴンタばかりしていたからです。わがままで、自分が気に入らない食事は決して口にしないニャンコでした。でも16歳まで生きました。最後の瞬間も私が看取りました、現在一緒に暮らしているミューナで3匹目の猫ですが、このゴンちゃんは私にとって初めて一緒に暮らした猫でした。

これは奇跡かどうかはわかりません。ただ仮死状態だけだったのかもしれません。でも私にとっては、間違いなく奇跡でした。

そしてそれは、猫という愛らしい生き物との出会いを結びつけた奇跡でもあったのです。茶トラのゴンちゃん。もう一度あの優しいニャンコを抱きしめたいです。彼女の不思議な能力は、また社会人編の時に紹介しますね。

『夢で会える 体外離脱入門』は在庫僅少ですので、お求めの方はハート出版さんや書店に問い合わせてください。Amazonでの注文はこちらです。

『ゼロの物語』3部作は電子書籍のみの販売となりますので、こちらのホームページから販売サイトに行ってくださいね。

Diamondo Blog イチオシ芸能ニュースもっと見る

ピックアップブロガーもっと見る


インタビュー特集もっと見る

 

高羽そら|たかはそら(作家、小説家)プロフィール

プロフィール画像

高羽そら(たかはそら)
今後の目標:毎年1つの物語を完成させたいと思います。
生年月日:昭和37年5月10日
血液型:A型
出身地:京都市

【経歴】
1962年京都市生まれ。数年前に生活の拠点を神戸に移してから、体外離脱を経験するようになる。『夢で会える 体外離脱入門』(ハート出版)を2012年1月に出版。『ゼロの物語Ⅰ〜出会い〜』、『ゼロの物語Ⅱ〜7本の剣の守り手〜』、『ゼロの物語Ⅲ〜次元上昇〜』の3部作を、2013年7月〜12月にかけて、オフィスニグンニイバよりAmazonのKindleにて出版。現在も新たな物語を執筆中。

プロフィール詳細 »

読者になる

このブログの更新情報が届きます。

高羽そら|たかはそら(作家、小説家)カレンダー

2015年4月
« 3月   5月 »
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
27282930  

高羽そら|たかはそら(作家、小説家)アーカイブス

高羽そら|たかはそら(作家、小説家)QRコード

ブログモバイル版

高羽そら|たかはそら(作家、小説家)オフィシャルブログ
http://www.diamondblog.jp
/official/sora_takaha/