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高羽そらさんインタビュー

壊れていく女性の世界

朝は雨雲が残っていましたが、お昼前からは気持ちのいい秋晴れになった神戸です。今日の午前中は、久しぶりに行ったカフェで過ごしていました。お世辞にもコーヒーが美味しいとは言えないのですが、人間観察をするには面白い場所なのです。

 

今日はわたしのとなりのテーブルで、就職の面接が始まりました。わたしはイヤホンをつけて音楽を聴きながら本を読んでいます。でもとなりの声がでかいので、音楽を飛び越えて会話が耳に入ってきます。就職希望者はわたしと同じ年齢くらいの男性でした。かなり緊張しているようで、落ち着きがありません。スーツもあまり着なれていない雰囲気でした。

 

面接をする側は60代後半くらいの男性でした。履歴書を見ている様子や会話の内容から、おそらく経営者だと思います。最近はカフェで面接をしているのを見かけることがありますが、たいていは若い世代のアルバイトの面接がほとんどです。この年代の二人が差し向かいで面接をしている雰囲気はちょっと異様でした。

 

どうも面接を受けている男性が不安に思っているようです。具体的な仕事の内容はわかりませんが、少し特殊な仕事なのかもしれません。どれほど休憩時間があるのか、もし体調が悪くなったらどうすればいいのか、どんな服装で出勤すればいいのか等の質問を聞いていると、まるで社会人に成り立ての人間のような印象でした。

 

対する経営者の顔を伺っていますと、どうやら働いて欲しいと思っているのは確かです。むしろ逃したくない、と思っている様子が伝わってきます。きっとあまりやりたいと思う人が見つからない職種なのではないでしょうか? こうなると妄想の世界が膨らみます。普通っぽい二人ですが、もしかしてなにやら犯罪の相談をしているのかもしれません。そんな風に妄想しながら観察していると、小説の題材になりそうでした。

 

そんな時、とても珍しい生き物がわたしのテーブルにやってきました。

 

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どうです、立派に成長したハエでしょう? わたしが子供のころはハエなんてそこら中にいました。今の若い世代は知らないでしょうが、ハエ取り紙なんていう商品もありました。ハエが近づかなように食卓の食費にかぶせるネットのようなものもありました。

 

でも最近はすっかりハエを見ることがありません。ましてやこんな大きなハエを見たのは久しぶりなので、思わず撮影してしまいました。となりで面接をしている二人は驚いたかも(笑) よく観察していると、ハエという生き物は可愛いものですね。工学的にはハエが自由に飛ぶ構造は解明できていないと聞いたことがあります。

 

これだけ大きくなるには、数々の試練をくぐり抜けてきたことだろうと察します。あまりに愛らしいので、追い払わずに自由にさせていました。まぁ、それにしてもこれだけ大きなハエがいるカフェも微妙ですね。ベーカリーを併設しているカフェです。ちなみにわたしはここのパンを食べていませんよ〜〜!

 

さて、昨日に観た映画です。

 

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『ブラック・スワン』という2010年のアメリカ映画です。

 

主演のナタリー・ポートマンがアカデミー主演女優賞を受賞した作品なので、以前から観たいと思っていました。アシュトン・カッチャーと結婚したミラ・クニスも出ているので注目していました。なかなか縁がなかったのですが、ようやく観ることができました。アカデミー主演女優賞が納得できる作品だと思います。

 

これはすごい映画です。でも人によっては受け付けないだろうと思います。R15指定になったのは当然でしょう。サイコスリラーと言っていい作品なのですが、凶悪な殺人鬼が出てくるわけでも、貞子のような幽霊が出てくるわけでもありません。ナタリー・ポートマンが演じるニナというバレリーナの精神が、急激に崩壊していく様子を描いた作品です。

 

ニューヨークの一流バレエ団の所属するニナ。清純を絵に描いたような女性で、ひたすらバレイに打ち込んできました。それでもいつかトップに立ちたいという夢を持っています。そしてそのチャンスが巡ってきました。『白鳥の湖』のオーディションを受けたのです。

 

ところが白鳥を演じることに関しては最高だが、変身した妖艶な黒鳥を演じることは無理だ、と演出家に酷評されます。絶望したニナはある行動に出ます。そのことによって、ついに主役の座を得ることができました。ところが繊細な性格を持つ彼女に、あらゆるプレッシャーが襲いかかります。

 

演出家は女性としての魅力を開発するようにと、ニナを激しく罵倒します。一見優しそうに見える母親も、元はバレリーナです。ニナを妊娠したことで自分の夢を捨てました。その反動のせいか、強烈なステージママになっています。この二人が彼女を追い詰め始めます。

 

さらにミラ・クニスが演じるリリーというライバルが登場します。リリーはニナの代役に指名されました。ということはニナに何かあれば、主役の座を奪われることになります。演出者が期待する演技ができなくても、怪我をしても、病気になっても、せっかく手にした主役を諦めなくてはいけません。いや、もしかすると意図的に主役の座をリリーは狙っているのではないか? そうした被害妄想まで持つようになります。

 

やがてそれが幻覚や幻聴になり、ニナは少しずつ正気を失っていきます。自傷行為にも及ぶようになります。そして舞台初日。精神的に破綻して起きることができなかったニナを見て、母親は病気で休むと連絡します。もしかすると主役を演じる娘に嫉妬していたのかもしれません。

 

慌てて楽屋に駆けつけると、すでにリリーが代役の準備をしていました。ニナは演出家のトマに訴えて、予定どおり出演します。しかしニナの精神は崩壊していて、すでに狂気の世界に入っています。ところがそれゆえに黒鳥の演技が絶賛されることになります。新しいスターの誕生でした。それなのに初日の最後の演技が終了した時、おそるべき事実が明らかになります。

 

とても怖い映画ですが、わたしは大好きです。これだけの演出を成し遂げた監督は素晴らしいと思います。でもそれを演じきったナタリー・ポートマンはマジで凄すぎます。この映画のために10キロ体重を落とし、幼いころに習っていたバレイを徹底的にやり直したそうです。そんな気迫が作り上げた映画だと思います。

 

この映画は、人間の才能が臨海点を超えて天才が生まれる瞬間を描いた映画です。ニナが演技を終えて「完璧を見た」と呟くことでそれを表現しています。しかし天才として生き抜くためには、その途方もないエネルギーに向き合える精神力が必要です。その精神力を持たない人間が「完璧を見る」とどうなるか? ラストでニナがそれを見せてくれています。この先ずっと心に残る素敵な映画でした。

 

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高羽そら|たかはそら(作家、小説家)プロフィール

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高羽そら(たかはそら)
今後の目標:毎年1つの物語を完成させたいと思います。
生年月日:昭和37年5月10日
血液型:A型
出身地:京都市

【経歴】
1962年京都市生まれ。数年前に生活の拠点を神戸に移してから、体外離脱を経験するようになる。『夢で会える 体外離脱入門』(ハート出版)を2012年1月に出版。『ゼロの物語Ⅰ〜出会い〜』、『ゼロの物語Ⅱ〜7本の剣の守り手〜』、『ゼロの物語Ⅲ〜次元上昇〜』の3部作を、2013年7月〜12月にかけて、オフィスニグンニイバよりAmazonのKindleにて出版。現在も新たな物語を執筆中。

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