SOLA TODAY Vol.274
今使っているiPhoneは指紋認証なので、以前のように暗証番号を入力することが少なくなった。でもアップデートで再起動をしたとき、どうしても6桁の数字を求められる。
銀行のキャッシュカードを利用するときでも、まだ4桁の暗証番号を使っている。全体的に見て、まだ暗証番号を使用している人はかなり多いだろう。
その数字はそれぞれの人が工夫して覚えているのだろうけれど、セキリュティ上の問題は常にある。忘れることを避けるために誕生日を使ったり、どの金融機関でも同じ暗証番号で登録している人は多いはず。だから銀行は、定期的に暗証番号の変更を通知してくる。
暗証番号というのは推理されやすいし、スマホなどの場合背後から盗み見ることも可能だ。いずれまったく新しいシステムの個人認証が開発されるかもしれない。だけど当分は暗証番号を入力するシステムが残るだろう。
そうした問題を解決するため、暗証番号に代わるものが研究されている。
2015年にイギリスの銀行が暗証番号を絵文字にする、という試みを行った。数字を使うよりもセキリュティが高いのではないか、という期待を込めて踏み切ったらしい。ところがその効果は科学的に検証されていない。
そこでベルリン工科大学を中心として、ミシガン大学等の複数の大学が組んだチームが、新しいAndroidスマホ用の絵文字認証システムを開発した。そしてそれを使用して、その効果を実験している。
覚えやすいかどうか、ということに関しては、数字も絵文字もほぼ同じ結果が出ている。ところが全体的な印象としては、絵文字のほうが使いやすいし、思い出すのが楽しいという感想が多い。
人によってパターンはちがうけれど、絵文字を覚える場合はストーリーを考える人が多いらしい。自分の知っている物語や歌の歌詞等、イメージしやすいものにマッチした絵文字を選び、その流れにしたがって覚えていく。なるほど、これならかなり楽しいかもしれない。
数字のように無機質なものだと、どうしても誕生日や記念日を選びやすい。だから個人が特定されると、暗証番号がバレやすい。でもストーリーで構成された絵文字ならば、テレパシーでも使えない限り頭のなかを見るのは無理だろう。
数字に比べて組み合わせ数も大幅に増やせるので、個人のプライバシー保護には適している。完璧な個人認証システムが完成するまでは、絵文字を使うのはアリかもしれない。
ATMのソフトをインストールするだけで絵文字に変えることができるならば、金融機関の負担も軽減できる。評判が良ければ一気に普及するかもしれない。工夫して絵文字を覚えるのも楽しそう。
まずはスマホから変えていけそうだよね。でも指紋認証が主流になっているので、メーカーは積極的に導入しようと思わないかもしれない。だけどスマホが率先して絵文字に変えることで、一気に金融機関へ浸透するような気がする。もしかしたら、数年後にはATMでみんな絵文字を打っているかもね〜!
『高羽そら作品リスト』を作りました。出版済みの作品を一覧していただけます。こちらからどうぞ。
コメント (0件)
現在、この記事へのトラックバックは受け付けていません。
コメントする