SOLA TODAY Vol.313
ここのところネットの記事を賑わしていたのが、自民党の豊田真由子議員のパワハラ。基本的に興味がないので真剣に記事を読んでいなかったけれど、たまたま目にしたワイドショーでその発言を耳にしてさすがに驚いた。
録音で残された言葉は下劣で悪意に満ち、よくここまで秘書のことを罵倒できるなと感心してしまった。この議員に「言霊」という概念を説明しても無駄だろうし、自分の行為はすべてそのままあなたに返ってきますよ、と話しても聞く耳を持たないだろう。
もしかしたら入院しているのは逃げているのではなく、自分が発したネガティブな想いをマジで浴びているせいかもしれないね。
他の自民党の議員のなかには、この程度の議員はよくいる、と援護する人もいたらしい。だとしたら国会議員という人間は、その人も含めてどうしようもない連中ばかりということになってしまう。
そんなことを考えながら関連記事を見ていると、この出来事に関して共感する記事を見つけた。
この記事の著者が問題として提起しているのは、パワハラ発言ではない。今回のパワハラの証拠にされた録音について。
この記事によると、テレビ番組でこの話題を取り上げる際、録音した秘書を揶揄する発言が多く見られたとのこと。つまりわざわざパワハラが起きるような状況を作っておいて、豊田議員のプライバシーをマスコミに売ったのではないかという意見。
録音をするにはあらかじめ準備をする必要があるから、そうした見解が出てきたのだろう。これに対して記事の著者は、決して秘書の行為はプライバシーを「売った」行為ではないと擁護している。
そもそも国会議員と秘書のやり取りは公的な仕事の一環。その場面で悪質なパワハラが起きているのならば、決して見過ごすことはできない、と述べておられる。録音しようとまで決意させたのは、それほど日常的に卑劣な行為が行われていたからだろう。ボクもそう思う。
録音がなければ、身に覚えがないともみ消されただろう。だから必死の思いで秘書はその証拠を残したはず。それなのにその行為を「証拠として出来過ぎだ」と揶揄されたなら、いったいどうすればいいのか?
パワハラというのは特定の個人に向けた陰湿ないじめ。他人にはそんなことをしている素ぶりも見せない。被害者がどれだけ訴えても、用意周到に影で行われたらどうしようもない。パワハラ被害の証拠を残すのは良くない的な風潮が主流になると、泣き寝入りする人が激増するだろう。少なくともテレビのコメンテイターがそういう発言をするべきではないと思う。
国会議員たるもの、いつどこで発言を録音されても、正々堂々としていられる言葉を口にすることを心がけるべきだろう。録音されることを嫌がる時点で、問題があることを証明しているようなもの。
主旨はちがうけれど、タクシーに搭載されているドライブレコーダーも必要。街に設けられている防犯カメラも、ボクは賛成。今やまったく関係ない痴漢まで冤罪を受けてしまう時代。事故やトラブルが起きたとき、こうした証拠は真実を語るものを助けてくれることになる。
もし本当にパワハラをやっている議員が大勢いるのなら、どんどん録音して明るみにしてやればいい。そうでないと真面目に働いている他の議員が気の毒だろう。この記事を読んで、そんなことを感じた。
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