SOLA TODAY Vol.314
最近でこそ年に1度くらいしか車を運転しないが、20代のころはほぼ365日ハンドルを握っていた。通勤だけではなく、仕事の現場へ行くにも運転をする。おかげで自分で言うものなんだけれど、かなり運転はうまいほうだと思う。
主に京都で運転していたわけだけれど、関西人の運転は荒い。それは個人的にもそう感じるし、他府県の人のそうした声を耳にすることもある。関西弁で言うところの「イラチ」、つまりせっかちな人が多いので、かなり無茶な運転をする人が多いように思う。
ボクが学生時代を過ごした石川県の金沢に行くと、そのことを顕著に感じる。2車線ある道路でも、交差点近くになると右折車を優先させるために誰もが左車線を並んで走っている。関西人であるボクが金沢の道路を走ると、誰も走らない中央寄りの車線をスイスイと走り抜けて、交差点で右折車を避けて無理やり左車線い割り込むw
そんな運転の荒い関西人のボクが、かなり驚く記事を読んだ。それは岡山県の運転事情。
なんと岡山県のドライバーは、日本一ウインカーを出さない運転をするとのこと。ウインカーを点滅させずにいきなり右左折をしたり、車線の変更をすると言うこと。関西風の運転をするボクでも、さすがにマメにウインカーを出す。
だって追突されるのは嫌だし、自分の車は大丈夫でも事故を誘発する恐れがある。本当に岡山はそうなのだろうか?
昨年の6月にJAFが実施したアンケートによると、「ウインカーを出さずに車線変更したり、右左折する車が多い」という設問に対して、岡山県在住の人の回答に驚く。
「とても思う」53.2%、「やや思う」37.8%で、合わせると91%にもなる。ほとんどの人がそう感じているということ。
全国平均の「とても思う」29.4%だから、どれほど高いか一目瞭然だろう。JAFや警察も必死で啓蒙活動をしているらしいが、ほとんど効果がないとのこと。
地元のタクシードライバーに質問すると、半日運転しているだけでヒヤッとすることは1度や2度ではないらしい。それも20年以上前からこんな状態とのこと。「岡山の自動車にはウインカーが付いていなくて、装備したい人はオプションだよ」というブラックジョークが普通に使われているらしい。
この記事に書かれている山口県から引っ越した人の感想が興味深い。先に転勤していた夫から岡山の運転は注意しろと言われていたらしいが、実際に走ると本当にウインカーなしで左折したりするらしい。その女性の夫によると、岡山のドライバー同士はウインカーを出さなくても、阿吽の呼吸でわかるらしい。
JAFや警察まで認めているということは、明らかに他府県に比べてそうしたドライバーが多いのだろう。でもなぜそんなことになったのか?
この記事でもいろいろ推測されているけれど、とりあえず県民性としか言えないのかな? 岡山県の人に言わせたら、相対的に倹約家の人が多いらしい。悪い言い方ををすれば「ケチ」が多いとのこと。
その例として、あのカチカチという音を聞いていると、車のバッテリーが減るようで嫌だ、と答えている人がいた。あとは周りの車で出さない人が多いので、ウインカーを使用することは初心者がする恥ずかしい行為だ、と思っている人もいる。
日本って狭いようで、広い国だなぁと思う。岡山県といえばボクが住む兵庫県のとなりだけれど、ずいぶんと感覚にちがいがあるように思う。とにかくウインカーを使わない日本一なんて、自慢にならないことはたしかだよね。
こうした県によるちがいも、自動運転の車が普及したら過去の笑い話になるのだろう。交通事故をゼロに近づけるという意味では、人間の運転意識の改革よりも、技術革新のほうが早いような気がする。
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