SOLA TODAY Vol.373
京都には夷川通という道がある。そんなに広い通りではないけれど、ボク世代の人間には馴染み深い。
家具屋さんが軒を連ねている通りで、家具を買うならここ、というイメージがあった。小学生になると、この通りのどこかの店で机を買ってもらう人は多かったし、結婚する人なんかも新居の家具をここで探したものだ。
ところが近年は、夷川通も閉店する店が増えたらしい。その理由は言うまでもなく、ニトリ等の大型家具店の台頭。その安売り合戦は激化する一方で、個人商店では太刀打ちできなくなっている。
そこへIKEA等の外国資本の家具店も参入してきたので、ますます競争が厳しくなっている。ボクは神戸のマンションに引っ越すときは、家具のすべてをニトリで買った。その後ダイニングテーブルはIKEAだし、今使っているクッションもIKEAで買ったもの。
神戸のポートアイランドにIKEAがオープンしたとき、物珍しさによく通ったものだ。北欧の家具は個性的で可愛いから、ちょっと雰囲気fがちがう。でもここ数年IKEAに行くことが減り、結局はニトリを利用することが多くなった。どうも全国的にそんな傾向になっているらしい。
この記事のデータを見ると、2014年あたりからIKEAの売上は落ち、2016年にかけて減少に転じている。これはボクの感覚と同じで、数字だけでなく実態としてそう感じる。
その理由はニトリと無印の勢いが増しているかららしい。大塚家具との日本対決に勝利したニトリは、以前のような郊外店舗だけでなく、都心に進出している。東京の池袋や渋谷にもニトリがオープンしている。
神戸も三宮に小規模ながらニトリの店舗がオープンして、ボクもたまに利用している。とにかく安いのと、品質がいい。神戸に引っ越した当時に買ったテレビ台やテーブルを今でも使っているけれど、まったく問題ない。
だけどIKEAだって値段は安い。だったらなぜ売上が落ちているのか?
これはシステムと品質の問題だと思う。IKEAが面倒なのは、基本的に組み立て家具だと言うこと。安い値段で購入するためには、自分で持ち帰って組み立てなくてはいけない。自動車を手放したボクとしては、どうしても足が遠のいてしまう。
そして組み立てはいいとしても、どうも品質がイマイチ。我が家ではボクが組み立てたダイニングテーブルを使っている。作った人間の問題もあるけれど、どうも安定しなくて使い勝手があまりよくない。軽いのはいいんだけれど、どうも貧祖な印象がある。まぁ、値段も値段だけれどねw
だけど引越し業者によると、IKEAの家具の保証はしないところが多いらしい。一度バラしてしまうと、元の品質が確保できない。だからIKEAの家具がある場合、引越し作業による損害補償は受け付けないらしい。推して知るべし、ということだろう。
これからIKEAも巻き返しを図ると思うけれど、ニトリの壁は厚そう。ボクも次に家具を買い換えるとしたら、おそらくニトリになると思う。その気持ちを変えてくれるほど、IKEAが新しい戦略を打ち出してくれたとしたら、消費者としては大歓迎だよね〜!
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