SOLA TODAY Vol.396
今年のプロ野球のリーグ戦も優勝チームが決定。あとはプレーオフに残るためAクラス入りを目指しているチーム以外は、なんとなく消化試合気分だろう。
我が阪神タイガースはほぼ2位が確定している(油断は禁物だけれど)から、とりあえずプレーオフには参加できるはず。波に乗っていけば、まだまだ日本一になるチャンスはある。10月になっても応援しているチームの活躍を祈れるのは、とてもありがたいこと。
それにしても優勝した広島カープは強い。そりゃ連覇するわ、という安定した強さを維持している。数年前にはそれほど脅威を感じなかったカープに、いったい何が起きたのか?
そんな答えのひとつかもしれない記事を読んだ。
貧打を変えた石井コーチの教え、カープ打線は7割の失敗を生かす
今のカープは貧打とは思わないけれど、この記事を読むとその強さがわかったような気がする。とても素晴らしい記事だった。
この記事に登場する石井コーチは、ボクとしては横浜の選手だったというイメージが強い。結構好きな選手だった。この石井コーチの指導方針を読んで、思わずうなずいてしまった。これこそカープ打線の強さの秘密だと思ったから。
プロ野球において、3割打者は一流の証明になる。でも逆に言えば、7割は失敗しているということ。ところが石井コーチはその7割を生かすことで、成功した3割を加えた10割で勝負させようとした。素晴らしい発想だと思う。
少し長いけれど、石井コーチの発言を引用させてもらう。
「バットマンとして、目指すところは3割という数字。その3割を100点と考えた場合、自分のスキルを上げる練習では100点を目指しなさい。当然、試合でも100点を目指すけれど、試合は”試し合い”と書く字のとおり、練習で取り組んだものを試し、できなければまた練習という繰り返しになる。ただ、試合はゲームでもあり、相手より1点でも多く取れば勝ち。じゃあ、点を取るためにどうすればいいかと考えるとき、漠然と3割という100点を目指さないでほしい。3割だけで1点を取りにいくんじゃなくて、残りの7割の失敗も生かしてプラスして、10割を使って攻撃してほしい。ひとつの凡打、失敗でも、いかにランナーを進めるか、得点にするかというところから考えなさい」
この考え方は、野球以外の仕事でも聞くに値する素晴らしいものだよね。失敗だと思うものでも、なんとかして生かそうとする。成功を目指しつつも、失敗を切り捨てない。これほど元気の出る発想はない。
さらに石井コートはこう述べている。
「試合後のコメントで『ヒット3本じゃ勝てない』とか言う監督もいますけど、そうじゃなくて、ヒットがゼロでも点を取れるのが野球なんです。究極はヒット0本で勝つことでしょうし、僕自身、コーチとして目指しているところはそこなんです」
こんなコーチがいたら、カープは強いはずだわ。何がなんでもヒットを打たなきゃ、という気負いが選手になくなる。とりあえず凡打しても、得点につながるようにすればいい。そんな気持ちで打席に入られたら、相手のピッチャーはたまったものじゃない。
けれどもバッターにとって、三振では意味がない。ゴロでもいいからバットにボールを当てる必要がある。そのためには普段から圧倒的な努力が求められる。だから石井コーチは、「1日800スイング」を選手に課した。さすがだわ。
まだまだ広島カープの快進撃は続きそう。頑張ってね、阪神タイガース〜〜!
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