SOLA TODAY Vol.787
人間の欲望は、理性がなければ暴走するだろう。誰もが本能のままに生きてしまえば、世の中は犯罪者であふれ返ってしまう。
欲望が強ければ強いほど理性の抵抗は激しくなるので、過度なストレスをもたらすことは避けられない。だからできることなら、欲望そのものを理性と合致させるのが最適だろう。
だけどその欲望が本能的なものであればあるほど、理性の制御が困難になる。頭ではわかっているけれど、どうしてもやめられない。特に食に関することは生きることに直結しているだけに、理性の思うままになりにくい。
ダメだとわかっていても、つい深夜に夜食を食べてしまうのは理性が根負けするからだろう。
食に関する欲望と理性の対決の例として、ボクがよく頭に浮かべるものがある。それはフェイク料理。ヴィーガンの人に多いけれど、野菜や穀類を使って肉のように見せかけた料理を思い出す。
今ではこんな商品もできているらしい。
それはお刺身のフェイク。リンク先の写真を見てもらえばわかるけれど、見た目は本当のお刺身にしか見えない。低カロリーの日本料理が世界中に注目されているので、ベジタリアンやヴィーガン向けに開発されたらしい。
タピオカでんぷんと海藻グルコースで作られている。実際に食べたこの記事の著者の感想は、日本人からすれば微妙なものらしい。お刺身を食べ慣れていない外国人向けなのかもね。
2020年には東京オリンピックが控えている。大勢の外国人が日本にやってくるので、食の問題は無視できない。世界的に見ればベジタリアンの人の比率はかなり高いので、日本の店舗は対応に追われるだろう。
それゆえこうしたフェイク料理が開発されるんだろうけれど、ボクはどうもこの傾向が好きじゃない。はっきり言えば大嫌い。
その理由は、最初に書いた欲望と理性に関わるもの。そこに強烈な理性の抵抗を感じるから。
ベジタリアン、なかでもヴィーガンの人は、いわゆる意識高い系の人が多い。自分がなぜ動物を食べないかについて、明確な信条を持っている。完璧に理論武装している人が多いので、他人にもその思想を押し付けようとしがち。
その想いが強くなり、海外ではヴィーガンの人たちが肉屋を襲撃する事件まで起きている。そこまで強く動物を食べないことを主張しながら、なぜこんな商品を作って自慢げにSNSに投稿するんだろう?
ボクにはその感覚が理解できない。本当に動物の死骸を口にしたくないのなら、なぜステーキに見立てたものやお刺身にそっくりなものを食べるのだろう?
本音としては肉食をしたいという欲望があるからだよね。だけど理性的には抵抗したいので、その折り合いをつけようとフェイク料理を開発している。でもそれって単なる自己満足じゃないだろうか?
本気でヴィーガンを主張するなら、堂々と野菜や果物だけを食べればいい。そこまで徹底している人なら、ボクもその思想に歩み寄れる。だけどうれしそうにフェイク料理を並べている人の言葉は、少しも心に響かない。その人からは欲望と理性の葛藤しか伝わってこないから。
肉を食べたいなら、食べればいいと思うけれどね。ボクも以前はベジタリアンらしき生活をしていたことがあるけれど、そんな自分の欺瞞に我慢できずにやめてしまった。銃を持って動物を殺そうとは思わないけれど、お肉は食べている。まぁ、この話を始めると長くなるので、この辺でやめておくかwww
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