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高羽そらさんインタビュー

SOLA TODAY Vol.992

日本は難民の受け入れに関して後進国だと言われている。ただそのことを情報として知っていても、具体的にどのようなことが起きているか実感がなかった。

 

でもこの記事を読んで、日本の難民政策に大きな課題があることを痛感した。

 

心から愛している。だから、新婚生活中に捕まった夫を待ち続ける

 

これはなかなか辛い話だった。新婚の夫はクルド人で、妻は日本人という国際結婚。この記事ではクルド人についてわかりやすく説明されている。

 

『クルド人は、トルコ、シリア、イラク、イランにまたがる山岳地帯に暮らす民族だ。総人口は4000万人ほどと推定される。国境線が民族分布と無関係に引かれたため、自らの国家を持っておらず、「国を持たない世界最大の民族」と呼ばれる』

 

こうした事情ゆえ、差別や民族運動による弾圧を受けることが多い。特にこの記事で取り上げられている夫のウチャルさんがいるトルコでは、クルド人をトルコ人として同化する政策が進められてきた。

 

その政策に反発するクルド人の独立組織とトルコ軍は、激しい戦闘を繰り返している。ウチャルさんはこのままでトルコ人として徴兵され、同じ民族のクルド人に銃を向けなくてはいけない。それで日本に入国している親戚を頼ってきた。16歳のときのこと。

 

彼のケースは明らかな難民。同じ事情でイギリスに避難したクルド人は難民として受け入れられている。ところが日本では難民として認定されない。埼玉には2000人ほどのクルド人が暮らしているそうだけれど、難民認定された人は一人もいない。

 

かといって入管に拘束されるのではなく、『仮放免』という措置によって埼玉で暮らすことが認められている。ところがこの仮放免がくせ者。

 

基本的に就労ができない。そして許可なく県外に外出できない。埼玉県を指定された仮放免のクルド人は、勝手に東京に行けないということ。これはすでに軟禁状態だよね。

 

こんな状態でウチャルさんは日本人の女性と出会い、恋をして結婚した。だけどクルド人に対しては審査がきびしく、そう簡単に日本国籍を取得することができない。そんな状態で新婚夫婦に恐ろしいことが起きた。夫のウチャルさんがいきなり入管に拘束されてしまった。

 

妻がどれだけ問い詰めても、入管は一切理由を話さない。考えられるとしたら、まだ結婚前の妻が高熱を出したことがある。そのことを心配したウチャルさんが心配して恋人の元へかけつけた。ただ問題だったのは、当時の妻は神奈川県に住んでいた。つまり埼玉の県外になってしまう。

 

だけどそれはかなり以前のことで、なぜいまなのか理解できないとのこと。もしちがう原因だったとしても、入管は理由を示す義務がないらしい。そのうえ拘置所に収監されているのと同じ状況なのに、期間が決まっていない。つまり入管の判断によってどれだけの長期間でも拘束できるとのこと。すでに人権なんてまったく無視されている。

 

百歩譲って無断で県外に出たことが理由だとしても、そのことを明示するべき。恋人が高熱を出したら、何をおいてもかけつけたいのは人間として普通のこと。そしてもっとも納得いかないのが、クルド人に対する不当な扱い。

 

日本とトルコは友好関係が強いので、どうやらトルコに対する忖度が働いているらしい。つまりクルド人に対して日本の入管は温情を示すことを控えている。海外では難民扱いになって人権が保護されている事例なのに、ウチャルさんは日本に来たばかりにトルコへ強制送還されてしまうかもしれない。

 

そうなれば戦争の最前線に送られ、自分の同族に対して銃を向けなければいけなくなる。こんなことが日本で起きているのを知って、やりきれない気持ちでいっぱいになった。

 

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高羽そら|たかはそら(作家、小説家)プロフィール

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高羽そら(たかはそら)
今後の目標:毎年1つの物語を完成させたいと思います。
生年月日:昭和37年5月10日
血液型:A型
出身地:京都市

【経歴】
1962年京都市生まれ。数年前に生活の拠点を神戸に移してから、体外離脱を経験するようになる。『夢で会える 体外離脱入門』(ハート出版)を2012年1月に出版。『ゼロの物語Ⅰ〜出会い〜』、『ゼロの物語Ⅱ〜7本の剣の守り手〜』、『ゼロの物語Ⅲ〜次元上昇〜』の3部作を、2013年7月〜12月にかけて、オフィスニグンニイバよりAmazonのKindleにて出版。現在も新たな物語を執筆中。

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