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高羽そらさんインタビュー

倫理が意味をなさない世界

京都の祇園街で働いているころ、お茶屋の女将さんや芸妓さんから昔の話をよく聞いた。いまでこそ舞子さんの出身地は全国に広がっているけれど、昭和初期のころはほとんどが地元の女性だった。当時の花街というのは完璧な女系社会で、母親が誰なのかがわかっていれば、それ以上の詮索はされない。

 

だからそんな事情を知らない小学校の教師が赴任すると、父の日に作文を書かせたりする。すると子供は正直だから、「わたしのお父さんは、週に一度家にやってきます」というような文章ができあがる。もちろんそんな教師は、あっという間に転任させられる。

 

祇園街で女の子が生まれると、誰もが喜びの声をかけてくれたらしい。芸妓になったり、お茶屋の女将として働いてくれるからだろう。それほど女性が生まれることを祝福する街なので、男の子が生まれると周囲はガッカリしたそう。舞子さんの着付けをする男衆(おとこし)になるしかないなぁ、と諦め気分になる。

 

だとしても男の子とが生まれたからといって、命を奪うことはない。ところが21世紀の現代社会で、そんな恐ろしいことが平然と行われている。

 

女の子が生まれない村 216人全員が男の子って?

 

これはインドの出来事。北部のある村で調査をしたところ、過去3ヶ月に生まれた子供が216人で、そのすべてが男子だった。これは自然現象としてはありえないことで、人為的なことが関わっているのは明確な事実。

 

インドではいまだに女性蔑視の思想が強く残っていて、女の子ができると堕胎するということが平然と行われているらしい。祇園街とは反対だけれど、少なくとも日本では性別によって命を奪うことはない。江戸時代等で飢饉があったとき、間引きという恐ろしいことが行われたことはあるだろうけれど。だとしても20世紀や21世紀のことじゃない。

 

インドでは女性を嫁がせるとき、高額の持参金を持たせなくてはいけない。だから働き手になならないしお金も出ていくだけなら、男子のほうがいいという短絡的な発想に至ってしまう。政府は法律を定めて禁止したけれど、この事実を見るとまったく意味がないということを証明している。

 

これは以前の中国でも似たようなことがあった。『一人っ子政策』によって男子を求めるがゆえ、女子を妊娠すると中絶したりひどい場合は殺してしまうこともあったと聞いている。まだ隠して育てているほうがマシなほど。

 

それにしても216人のすべてが男子だなんて、その事実を知るだけで身体が震えそうになる。その背景で起こっていることを想像すると、怒りや悲しみを超越してしまうほどおぞましい。

 

もうこれは人間の倫理観に訴えたり、法律で取り締まっても意味がない。社会における仕組みを根本から変えていかないと、いつまでもこんなことが続いていくことになるのは目に見えている。インドのような多民族社会で慣習を変えることは難しいだろうけれど、自国がこんな状態で国際社会の一員として名を連ねるていることを恥ずべき。

 

せっかくIT人材の輸出国として認知されてきたのに、これでは世界からの信用を失ってしまうと思う。インドの人たちが国をあげてこのような悪習慣を断ち切って欲しいと、外国人の立場として切に願うしかない。

 

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高羽そら|たかはそら(作家、小説家)プロフィール

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高羽そら(たかはそら)
今後の目標:毎年1つの物語を完成させたいと思います。
生年月日:昭和37年5月10日
血液型:A型
出身地:京都市

【経歴】
1962年京都市生まれ。数年前に生活の拠点を神戸に移してから、体外離脱を経験するようになる。『夢で会える 体外離脱入門』(ハート出版)を2012年1月に出版。『ゼロの物語Ⅰ〜出会い〜』、『ゼロの物語Ⅱ〜7本の剣の守り手〜』、『ゼロの物語Ⅲ〜次元上昇〜』の3部作を、2013年7月〜12月にかけて、オフィスニグンニイバよりAmazonのKindleにて出版。現在も新たな物語を執筆中。

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