暗示って奥が深いよなぁ
ボクは子供のころ催眠術に興味を持っていた。それに関する入門書を読んだこともあった。ただ、実験台になってくれる人はいない。そこでたどり着いたのが自己催眠、あるいは自己暗示というもの。
腕が重くなるから始まり、両手両足に熱を感じたり、腹部が暖かくなるように暗示をかける。これがやってみると意外に面白くて、本当にそう感じられる。科学的な研究によると、実際に体温が上昇しているらしい。
その状態から自分に対するポジティブなアファメーションを刷り込むことで、現実世界での目標を具現化していくというもの。この自己催眠は応用範囲が広く、体外離脱の準備段階で効果的なのはボクが実証済み。
暗示、あるいは催眠というものは本当に不思議で、まったく食べられなかったものが美味しいと感じるようになったりする。そしてそれは医学にも応用されていて、プラシーボ効果、フランス語ではプラセボ効果というものがある。
海外では意外なほど多くの医師がプラセボを処方していたという現実
ただの小麦粉なのに、医師から頭痛に効くと言われて飲むと痛みが止まる。これをプラセボ効果という。本物の薬だと信じることで、不快な症状が消えてしまう。これは科学的にも実証されていて、『病は気から』という言葉を証明している。
このプラセボには2種類あるらしい。不活性プラセボ(医学的な作用のないもの)と、活性プラセボ(医学的な作用があるが、患者の症状とは関係のないもの)の2種類。前者は頭痛に小麦粉を処方するようなもので、後者は腹痛に効く薬だと言ってビタミン剤を提供するような場合。
オーストラリアの医師にアンケートを取ると、不活性プラセボは39パーセント、活性プラセボは77パーセントの医師が使用したと認めている。アメリカではほぼ半数の医師が使用しているし、ドイツでは88パーセント、イギリスでは97パーセントの医師が一度はプラセボを使ったと報告している。
このほとんどに効果があったということらしい。暗示の力ってすごいよね。ただもっと驚くことがリンク先の記事に書かれている。
オーストラリアでプラセボを処方した医師の80パーセントが、患者に対してその薬がプラセボだと明かしていた。医療倫理の観点から患者に嘘をつくことは禁じられていて、アメリカの医師会ではガイドラインとして、プラセボの使用は患者に伝えることを条件としているそう。
それじゃ暗示にならないよね。頭が痛いのにビタミン剤をもらったって効くわけがない。薬だと信じるからこと、プラセボ効果がある。
ところがここが暗示の奥深いところ。医師からプラセボだと明言されているにもかかわらず、それが薬と同じように効いている。特定の症状に関しては、プラセボだと患者がわかっていても効果のあることが実証されているとのこと。
う〜ん、これは不思議だ。その理由は明確になっていないそう。これは医学というよりも心理学の分野だよね。かなり興味深いので、ぜひ真剣に研究して欲しいところ。
効果があるとしても、自分の家にある小麦粉を飲んでもダメだと思う。おそらく『医師に処方された』という部分が大きな要素なんだろうな。つまり医師という存在に対する無意識下における信頼が、暗示を助けているのかも。
とにかく人間の心って、本当に不思議だよなぁ。
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