ワキにある毛が顔にない理由
猫と暮らす最大の楽しみは、モフモフが触り放題だということ。『獣』は『毛モノ』なので、全身が毛におおわれている。特にいまの季節は、人間より体温の高い猫と一緒に寝るときほど幸せな時間はない。
ところが人間は、ほぼ体毛がない。厳密に言えば全身が毛におおわれているけれど、はっきりと目立つのは髪の毛、ワキ毛、陰毛、そして男性のスネ毛くらいだろう。外国人では胸毛がぼうぼうの人もいるけれど。
なぜ人間は他の哺乳類に比べて体毛が少ないのか。特に顔に関しては、男性のヒゲ程度の体毛しかない。その理由についての研究を紹介した記事が面白かった。
人間の顔はなぜ「毛」で覆われていないのか? その深すぎる理由
顔に毛がない哺乳類は、人間とチンパンジー等の類人猿、そして一部の猿たち。これらの種を研究すると共通項が見つかった。
それは『色覚』があるかどうか。人間と類人猿は色覚が発達していて、ほぼフルカラーで見ることができる。一部の猿たちは、メスにだけ色覚があるそう。
体毛と色覚がなぜ関連性を持つのか? その解説を読んで、思わずうなづいた。
それは自分以外の個体の『顔色』を見るためらしい。動物の血流は嘘をつけない。怒ったり恥ずかしいと感じると、顔が赤くなる。体調が悪いときは、顔が青ざめる。その顔色を詳細に知覚しようとするならば、ボサボサの体毛は邪魔になる。それゆえ長い時間をかけて、顔から体毛をなくしていったのだという説明だった。
たとえば猫だったら、怒っているか甘えているかは、鳴き声や動作で判断するしかない。相手の状況を知るのに時間がかかる。だけど顔色を見るのなら、一瞬で相手のことがわかる。いわゆる『共感』というものを、人類や類人猿は進化の過程で手にしたということだろう。
その『共感』ゆえ、人類は知能を発達させたとも言えるし、知能が発達したから『共感』を獲得したとも言える。どちらにしても、他の哺乳類との差をつけるために獲得したのが、体毛をなくすということだったらしい。面白いよね。
一部の猿のメスだけに色覚が存在する理由がわかるだろうか? それは子育てをするからと推測されている。子供の健康状態を判断するのに、顔色は欠かせない。それでメスに色覚が発達したのだろうと考えられている。
つまり頭に毛があったり、ワキ毛や陰毛はその部分の肌色を見る必要がないから。大切な部分を守るという意味だけじゃなく、血流の流れを目視する必要がない部分だということだろうね。
そう思って猫を観察していると、唯一体毛のないところがある。それはお尻。黒猫のミューナは、肛門付近だけピンク色の地肌が露出している。それは発情等の兆候を見せるためだと思う。色盲であっても、繁殖に必要な部分はすぐにわかるように体毛をなくしているのかもしれないね。
人間の体毛について、ボクは別の疑問がある。それはなぜ人間の髪の毛が伸びるのか?
猫は決まった長さの体毛を新陳代謝によって維持している。抜けて生え変わっても、同じ長さの体毛になる。長毛と短毛の差はあるだろうけれど、決まった長さ以上にならない。
だけど人間は放置しておけば、髪の毛がどんどん伸びてくる。だからボクの嫌いな散髪に行かなくてはいけない。もし猫のように同じ長さが生え変わるだけだったら、楽でいいのになぁと思ってしまう。
人間の髪が伸びる理由を研究している人はいるのかな? まぁ、理由がわかったからと言って、散髪がなくなるわけじゃないんだけれどねwww
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