ベーシック・インカムが来た!
新型コロナウイルスは様々な苦難を人類にもたらしている。それゆえ多くの既存システムが変更を余儀なくされた。
だけど悪い面ばかりじゃない。陳腐化したシステムが存在していても、既得権益者の存在によって容易に改革できないものがある。そんな頑強なものでさえ変更を迫っているのがこのウイルス。
業種が限られているとはいえ、テレワークの導入が進んでいる。塾や予備校はオンライン授業を導入しているし、一部の私立学校でも進められている。
3年後の予定だった子供に1台ずつのパソコンを導入するという案も、前倒しされることが決まった。それはオンライン授業が念頭にあるからだろう。これまでペーパーレスから見放されていた学校現場も、大きく変化することになるかもしれない。
そしてついにスペインが、ベーシック・インカムの導入を決めた。
これはマジですごい。昨日も1日中ネットで話題になっていた。ベーシック・インカムについては、これまで試験的に導入されていたケースはいくつもある。だけど国家として正式に導入を発表したのは初めて。歴史的なことだよね。
スペインは感染者が世界2位になったことで、ロックダウンを実施した。それから3週間で失業者が90万人に達したとのこと。このままでは国民の生活が立ちいかないし、暴動が起きる可能性もある。これは日本だって同じ。昨日は東京のタクシー会社が600人を解雇している。これから失業者は増えていくだろう。
スペインは様々な経済政策の導入を検討していたけれど、国民の不安を払拭して最低限の生活を維持するためには、ベーシック・インカムの導入しかないと判断した。期限を設けないとのことなので、ウイルスが終息しても継続するつもりらしい。
これを機に、世界中でベーシック・インカムの導入が真剣に検討されることを願っている。これまでの研究者たちの論文や、社会実験の結果から見ると、おおむね所定の目的を達成できそうなシステムだと考えられる。
ベーシック・インカムを導入しても、人間は働くことをやめない。むしろ安心感が先に立つので、生き生きと余裕を持って仕事に専念している。時間の余裕が生まれ、家族との会話が増えたという実例もある。
いまの世界の現状を考えると、最大の効果は不安を払拭できることだと思う。日本でも世帯あたりの現金支給が検討されているけれど、その基準がかなりあいまい。それゆえかえって不安をあおりかねない。不公平感も残ってしまうだろう。
だけどベーシック・インカムなら国民のすべてが対象。支給金額にもよるけれど、とりあえずパニックを防ぐことに大きく貢献すると思う。すでに破綻しかけている年金制度を解体して、社会保障制度全般の見直しをかねて検討すれば財源も確保できるはず。日本も真剣に検討して欲しいなぁ。
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