非常時に『言霊主義』は不要
4日ぶりの外出で、今日はドラッグストアとスーパーへ行った。日曜日だけれど、やはり人は少ない印象。
ドラッグストアに相変わらずマスクはない。運がよければ買えるのかもしれないけれどね。それから週末だということもあるだろうけれど、トイレットペーパーが欠品。2軒のドラッグストアに行ったけれど同じだった。テイッシュペーパーはどちらも売るほどあった(あっ、売ってんのやwww)けれど。
ところがいつものスーパーに行くと、トイレットペーパーが大量に置いてあった。この店舗によるアンバランス感がちょっと興味深い。いまのような非常時の流通ルートを研究すると面白いかもしれない。
スーパーで気がついたのはパスタが復活していたこと。ただパスタソースやトマトソースは欠品。これも消費者動向にズレが出ているせいだろうね。先日まではパスタがなくてトマトソースは豊富にあったから。相変わらず品薄なのはバター。
それ以外の食品に関しては、ボクが見ている範囲では豊富に取りそろえてあった。ただし冷凍食品とカップ麺等のインスタント食品はいつも素通りなのでわからないけれど、
緊急事態宣言が最初の7都道府県に出てから、まもなく2週間になる。それが全国に広がっていて、いまは非常時だと考えたほうがいい。こんなときだからこそ、注意すべき日本人の性質がある。
それは『言霊主義』というやっかいなもの。
『言霊主義』とは、言葉を発するとその言葉に力が宿り、それが実現するという考え。つまりいいことは口にするけれど、縁起の悪いことは言葉にしない性質を指す。
平和なときなら、これほど素敵な性質はない。ボクも言霊というものはあると思うし、大切にしたいと感じている。だけどいまのような非常時は、元気が出る言葉だけでなく、心配なこと、起きて欲しくないことも積極的に口にするべき。
日本人は非常時に『言霊主義』に囚われたことで、過去に最悪の事態を迎えている。わかりやすいのは大東亜戦争。戦況は悪くなる一方で、アメリカと戦っていけないことを軍部は実感していた。誰もがそう思っているのに、そのことを口にできない。なぜなら『言霊主義』に囚われていたから。
『敗戦』や『戦況の悪化』を口にすれば、そのとおりになると考えていた。それゆえ無理をして戦争を続け、原爆を落とされるまで降伏しなかった。その元凶として『言霊主義』があったことは否定できない。それは過去の日本の歴史においても同じことが起きている。
元気が出る言葉は必要。こんなときだからね。だけど同時に、このままだと大変だということも口に出すべき。フラフラと遊び気分で外出することがどれほど危険で、かつ他人に迷惑をかけることを知ってもらうため。
そして自分が不安なことを口にすることで、どうすればいいかも見えてくる。そんなことが起きたら怖いからと口にしないでいると、抱えている不安が見えてこない、見えないものは対処できないから、結果としてその不安が次の不安を引き寄せてしまうだけ。
こんなときだからこそ、いろんなことを言葉にするべき。もちろん他人に対する不当な中傷や暴言はダメ。そうした配慮をしつつも、何が不安で問題なのかを明確にしていくことが大切だと思う。今回のウイルスが収束するまでは、日本人は『言霊主義』を忘れるべきだと思う。
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