笑顔はトラウマを弾き出す
新型コロナウイルスの影響で、免疫についての記事を目にすることが増えた。バランスのいい食事や睡眠等が免疫力を上げる基本になる。
そして簡単にできて効果が高いものとして、『笑顔』があげられている。アハハ、と笑うだけで肉体の免疫力は一気に上がるらしい。無理やり笑い顔を作るだけでも効果があるそう。
さらに笑顔関連として、とても興味深い研究結果が発表されている。それは笑気ガスを使ったもの。
笑気ガスにうつ病やPTSD、アルコール依存症などの心の病を治す効果を確認
笑気ガスとは亜酸化窒素のこと。人間が吸入すると陶酔作用があり、顔が弛緩して笑っているように見えるので『笑気』と呼ばれるようになったらしい。痛みや外部の刺激を緩和させる効果があるので、麻酔薬として使用されている。
この笑気ガスを使って、うつ病やPTSD、そしてアルコール依存症等の心の病気に対する治療が研究されている。まだ課題は残っているものの、かなりの効果が認められているらしい。
最初はうつ病の治療に使われた。抗うつ剤が効きにくいうつ病患者に短い時間だけ吸引させると、症状が一気に緩和した。その効果が数日も続いたとのこと。
トラウマ体験の緩和にも効果が認められている。トラウマ的な映像を治験者に見せたあと、笑気ガスを吸わせるだけでその記憶が脳に定着しづらいことがわかった。笑気ガスを服用すると、脳の記憶固定プロセスが不安定になり、トラウマ体験の記憶が脳内に根づきにくくなるとのこと。
リラックスして笑顔のような状態になることで、辛い体験が記憶として残りにくいということだろう。笑顔はトラウマを弾き出して、シャットアウトしてしまうのかもしれないね。
これが古い記憶でも効果があれば、PTSDの治療にも利用できる。実際にアメリカでは、退役軍人を対象としてPTSDの治療研究が進められている。笑気ガスを吸うことで、一週間以上もPTSDの効果が緩和した人があった。逆にその効果が24時間しか継続しない人もあったそう。
なんらかの効果があることはわかっているけれど、長期記憶として定着したPTSDやアルコール依存症の場合、いますぐ完全に治療できるというものではなさそう。さらに笑気ガスの乱用は危険を伴うので、医師の指導なしでは絶対にだめということも忘れてはいけない。
だけどやはり笑顔にはとてつもないパワーがあると思う。笑うことで、ウイルスだけでなく辛い経験も吹き飛ばしてくれる。人間が生きていると、想定外の危機や辛いことが起きるのは避けられない。心が折れそうになることは何度もあるだろう。
だけど無理にでも笑顔を作ることで、それらのキツい体験を弾き飛ばせるバリアになると思う。そんな笑顔のパワーを忘れないようにしたいね。
ブログの更新はFacebookページとTwitterで告知しています。フォローしていただけるとうれしいです。
『高羽そら作品リスト』を作りました。出版済みの作品を一覧していただけます。こちらからどうぞ。
コメント (0件)
現在、この記事へのトラックバックは受け付けていません。
コメントする