京都市の財政が詰んでる
京都市が10年以内に財政破綻するという報道が流れた。門川市長が会見でそう語ったことで大騒ぎになった。
神戸に引っ越して13年目になるけれど、ボクも妻も京都市で生まれ育っているから完全な京都人。それだけにこの騒動は他人事じゃない。
だけどなぜそんなことに? 詳しいことを知りたくて調べてみると、わかりやすく解説されている記事を見つけた。
【特集】京都市が“破産”危機!借金8500億円…10年以内に財政破綻…伝統と文化の街にいったい何が!?
タイトルにあるように京都市の実質的な借金は8500億円という膨大な額。その元凶はバブル期に建設を続けた地下鉄東西線らしい。京都で最初にできた地下鉄は烏丸線で、京都駅から烏丸通りにそって北区まで続くもの。
その後にできたのが東西線で、ボクが子供から成人まで過ごした山科や醍醐から、京都市右京区の太秦まで結ぶもの。この東西線の利用客が当初見込んだ数に『一度』も達していないそう。そういえば、ボクだって『一度』も乗ったことがない。
それゆえ収支が独立できないので、京都市の借金で穴埋めするしかない。ところが困ったことにその借金を返済する収入が見込めない。市の税金の大きなものは住民税と固定資産税。この両輪が京都市は機能してない。
京都市が景観保護を打ち出したことで、高層マンション等の建築が規制されている。それゆえ固定資産税は必然的に減少する。さらに税金を徴収できない神社仏閣が多いのも辛いところ。京都市の土地を多く占有しているのに税金を取れない。
学生が多い街ということもあって、住民税も伸び悩んでいる。学生は行政サービスを利用することがあっても、収入が少ないので住民税を納めることがない。そんな状況なのに市バス等の敬老パスという優遇も継続してきた。このあたりの収支感覚がすでにおかしい。
そして行政も最大の失敗をやらかした。借金返済のための基金に手をつけてしまったらしい。この禁じ手を使ってしまったことで、10年以内に財政破綻するという状況にまで追い込まれてた。ようやく事情がわかった。
いまになって行政サービスの縮小を打ち出したことで、子育て世代から反発が起きているらしい。例えば保育園に子供を預けることがすでに難しくなっている。さらに困ったことに、中国の富裕層が京都の住宅を別荘として買い漁っているらしい。これは北海道でも問題視されている。
別荘なので普段は住人がいない。だから税金を取れない。なのに住宅価格が高騰することになり、京都で暮らそうとする人が住宅取得をあきらめるような状況になっている。だから京都市はここ5年で転出が転入を上回っている。つまり京都市は市民に見捨てられつつあるということ。
詳しい状況を知ったうえで感じるのは、どうしようもないなぁということ。これは完全に詰んでる。このままだと本当に財政破綻することになり、夕張市のように行政サービスの低下と有料化が避けられず、さらなる人口流出を招くことになる。
大阪のように地下鉄を民営化しても利益を出せないのかな? コロナ禍で観光客が減っているけれど、その程度では影響がないほど京都市の財政は末期症状らしい。何か思い切ったことをするしかないんだろうけれど、すでに手遅れ感が強すぎて、行政としては諦念に支配されている雰囲気。
10年後の京都市はどうなっているんだろう? 想像するだけで悲しくなってくるなぁ。
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