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高羽そらさんインタビュー

旅客機にパラシュートがない理由

小説や映画の脚本を創作するとき重要なのは、知ったかぶりをやめること。どんな世界にも専門家が存在していて、深い知識に裏打ちされた事実を保持している。だから中途半端な知識を使って設定すると、物語そのものが破綻することになりかねない。

 

もし何らかの事実を設定として利用するなら、専門家に尋ねるか、可能な範囲で徹底的に勉強してから使うべき。専門家のレベルに至る必要はない。だけど少なくとも、設定そのものを否定されるような事態を避けることは大切。

 

昨日ある記事を読んで、そのことを改めて感じた。うっかり物語の設定に使ってしまいそうだけれど、事実を知らないと専門家は失笑するしかないという事例。

 

なぜ旅客機には乗客全員分のパラシュートが積まれていないのか

 

リンク先の記事のタイトルを見て、その理由を完璧に答えられる人は少ないと思う。だけど理由を知れば、なるほどと思うことばかり。リンク先の記事を読むと、ハイジャック映画でうっかりとパラシュートは使えないことがわかる。

 

物語に関係なくても、確かに謎ではある。乗客全員分のパラシュートがあれば、万が一のときに有用なのではと思う。でもその発想が素人だということ。勉強になるのでその理由を抜き出しおこう。

 

・パラシュートを使うには訓練が必要。

 

これはそうだろう。兵士たちは訓練を積んでいるからいつでもパラシュートを使える。スカイダイビングの経験のない一般人が、いきなり空に飛び出してパラシュートを使う着地ができるはずがない。ただ命がかかっていたら、必死でやれるかも。だけど理由はこれだけじゃない。

 

・旅客機が飛行する高さからは飛び降りられない。

 

スカイダイビングは高くても高度4000メートル程度らしい。だけど旅客機の高度は8000〜1万2000メートルになる。この高度だと低酸素血症によって意識を失ってしまう。全員分の酸素マスクを用意して飛び降りるなんて絶対に不可能。

 

・旅客機の設計と速度。

 

スカイダイビングの飛行機は小さい。だけど旅客機は大きく、スピードも速い。だから素人が飛び降りると、機体に激突する可能性が高い。着地する前に大怪我をしてしまうことになるので、パラシュートは適さないとのこと。

 

・墜落時の事故発生率。

 

そして最後の理由。旅客機が墜落事故を起こすのは、離陸時と着陸時が圧倒的に多い。だからその状態でパラシュートを装着して脱出するのは時間的に無理になる。胴体着陸してでも、機体の非常扉から避難するほうが生き残る可能性が高いということ。

 

こうして理由を並べると、なるほどと思うことばかり。だから航空会社としては、高価なパラシュートを定員数分用意するという選択肢がない。重量を考えると物理的にも無理。だから船舶のように、人数分の救命胴衣がないということになる。

 

もし映画を見ていて旅客機からパラシュートで脱出するというシーンがあったら、これらの理由に矛盾していないかチェックしてみると面白いだろう。特殊な設定を使うときは、やはり勉強しないといけないよね。

 

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高羽そら|たかはそら(作家、小説家)プロフィール

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高羽そら(たかはそら)
今後の目標:毎年1つの物語を完成させたいと思います。
生年月日:昭和37年5月10日
血液型:A型
出身地:京都市

【経歴】
1962年京都市生まれ。数年前に生活の拠点を神戸に移してから、体外離脱を経験するようになる。『夢で会える 体外離脱入門』(ハート出版)を2012年1月に出版。『ゼロの物語Ⅰ〜出会い〜』、『ゼロの物語Ⅱ〜7本の剣の守り手〜』、『ゼロの物語Ⅲ〜次元上昇〜』の3部作を、2013年7月〜12月にかけて、オフィスニグンニイバよりAmazonのKindleにて出版。現在も新たな物語を執筆中。

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