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高羽そらさんインタビュー

動機不純な自然保護は害悪

基本的に人間というのは自己中心的な生き物だと思う。それは自然現象を表現する言葉に表れている。

 

例えば『腐敗』という言葉。細菌が有機物を分解する現象なんだけれど、この腐敗という言葉には、人間にとって役に立たないという意味が含まれている。だからまったく同じ現象でも、人間にとって有意義な現象は『発酵』と呼ばれる。

 

旅番組で地方の田園風景を指して、自然豊かな場所だと表現されることがある。たしかに都会に比べたら緑は多い。だけど田畑というのは明らかな人工物であって、本来の自然とはかけ離れている。


そうして山を切り開いて農地を増やすことで、野生動物を山奥に追い詰めていることには触れない。それが原因で餌がなくなって集落に現れた動物を『害獣』と呼んで『駆除』しようとする。こんな自己中心的な単語を見ていると、やりきれない気持ちになってしまう。

 

同様に自然保護をうたった行為が、結果として自然破壊につながっている例が報告されている。

 

“魚の稚魚 放流しすぎると魚減らす” 日米共同研究チーム発表

 

稚魚を放流するという自然保護活動がある。平安時代や鎌倉時代から放生会というものがあった。そうした流れをくむ行為だろうけれど、放流で多いのは鮭やマスという回帰性を有する魚。またこの川に戻ってきておくれ、という願いを込めて放流されるのだろう。

 

ただその動機はピュアではない。究極的な目的は釣りであり、戻ってきた魚を獲物にすること。さらに釣り客を目当てにした観光客の増加も当てこんでいるはず。見た目は自然保護なんだけれど、人間にとって価値のあることだという前提がある行為。だから大量に稚魚を放流する。

 

ところがその行為が、結果として自然破壊につながっているということがリンク先の記事で報告されていた。発表したのは北海道立総合研究機構やアメリカ東部にあるノースカロライナ大学などの共同研究チーム。大量の稚魚を放流することで生態系が乱れ、全ての種類の魚が減っているという結果が出ている。記事から抜粋してみよう。

 

『その結果、放流が大規模に行われている河川ほどすべての種類の魚の数が減る傾向があり、さらに大規模な放流を繰り返せば繰り返すほど、魚の中にはとうたされて、いなくなってしまう種類も出てくるとする解析結果が出ました。

減少の原因について研究チームは、川の生態系の許容量を超えた大規模な放流を行うと餌や住みかの奪い合いになり、生態系のバランスが崩れて、すべての種類の魚の減少につながってしまう可能性があるとしています』

 

調査対象となったのはサクラマスの稚魚の放流。大規模な放流によって、サクラマスだけでなく他の魚も減っているとのこと。これは明らかな自然破壊だろう。動機は自然保護であっても、本音は回帰してくれるサクラマスの大漁。つまり人間にとって都合のいいことが動機になっている。

 

ありのままの自然を残すことは現実的ではないと思う。残念だけれど人間が暮らしていくためには、ある程度の介入を避けることはできない。だけどもっと自然に優しい方法があるはず。その方法を見つけるためには、自然保護の動機が人類の利益中心になっていないか検証することが必要だと思う。

 

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高羽そら|たかはそら(作家、小説家)プロフィール

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高羽そら(たかはそら)
今後の目標:毎年1つの物語を完成させたいと思います。
生年月日:昭和37年5月10日
血液型:A型
出身地:京都市

【経歴】
1962年京都市生まれ。数年前に生活の拠点を神戸に移してから、体外離脱を経験するようになる。『夢で会える 体外離脱入門』(ハート出版)を2012年1月に出版。『ゼロの物語Ⅰ〜出会い〜』、『ゼロの物語Ⅱ〜7本の剣の守り手〜』、『ゼロの物語Ⅲ〜次元上昇〜』の3部作を、2013年7月〜12月にかけて、オフィスニグンニイバよりAmazonのKindleにて出版。現在も新たな物語を執筆中。

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