人類を救うのが好きな映画監督
さて、いきなり問題。以下の映画に共通していることが2つある。わかるかな?
『インデペンデンス・デイ』、『GOZDILLA』、『デイ・アフター・トゥモロー』、『2012』という作品。
まず一つは人類が危機に瀕するけれど、最後には助かるというストーリー。攻めてくるのが宇宙人、怪獣、自然災害、マヤの預言等であっても根本的には同じ。
もう一つの共通点は、すべて同じ監督の作品だということ。その監督とはローランド・エメリッヒ。どうやら彼は人類を救うのが大好きらしい。
2023年 映画#85
『ムーンフォール』(原題:Moonfall)という2022年のアメリカ映画。タイトルからわかるように、この映画で人類を危機に陥れるのは月。主演は写真のハル・ベリーとパトリック・ウィルソンで、CGを駆使したなかなか面白い作品だった。
比較的新しい作品なので、ネタバレはしないように注意しよう。パトリック・ウィルソン演じるハーパーは宇宙飛行士。2011年にハーパーは宇宙で衛星の修理を行なっていた。スペースシャトルで待機するのはハル・ベリーが演じるファウラー。
作業中ハーパーは正体不明の物体に襲われる。その影響で同僚の乗組員は死亡。どうにかシャトルに戻ったハーパーは、気絶しているファウラーを地球まで連れ戻した。ところが誰もハーパーの言うことを信じてくれない。
援護してくれるはずのファウラーも気絶していたので、ハーパーの言葉を信用できない。結果的にハーパーは責任を問われてNASAをクビになった。ところが10年後、月で異常が起きる。月がいきなり起動を外れて地球に落下する気配を見せた。
NASAの責任者となっていたファウラーは、中国のロケットを借りて宇宙飛行士たちを向かわせた。月の人工物があることがわかり、それが原因で起動を外れている。それらの人工物を破壊するため。ところが謎の物体が宇宙飛行士たちを襲って全滅。謎の物体は月から放たれたものだった。
10年経ってようやく自分の主張が認められたハーパー。ところがアメリカ軍は核兵器で月を破壊することしか考えていない。そんなことをすれば、地球に放射能が降り注ぐことになる。そこでハーパーが人類を救うために再び月へ向かうと言う物語。
その月には、人類の種の起源にまつわる秘密が隠されていた。そして謎の物体の正体も明らかになる。気になる人は、なかなか面白いので本編をどうぞ。
ストーリーとしては、ちょっと無理がある内容だった。SF作品としては科学的に認められないかも。だけどローランド・エメリッヒは、そんなレベルのことを考えていないと思う。ただひたすら人類の危機を観客に確信させ、そこからどうやって救われるかを描きたいだけなんだと思う。
そう思って観ると、よくできた作品だと感じた。純粋に楽しめばいい物語だろう。特にボクのようにパトリック・ウィルソンのファンだと、最初から最後までハラハラドキドキして興奮できるはず。批判は多いみたいだけれど、ボクはいい映画だと思った。こういう作品は好きだなぁ。
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