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高羽そらさんインタビュー

怨霊になった動機は必須

夏至が過ぎて本格的な夏になると、恒例の心霊番組が放送されると思う。以前に比べて少なくなったとはいえ、毎年いくつかは放送されている。一定数のオカルトファンがいることで、それなりに視聴率を取れるのだろう。

 

ボクも見つけたら録画している。ただ意外につまらないのが、一般の人の体験談。心霊現象自体はそれなりに怖くて、再現ドラマを見るとゾッとする。ところがほとんどオチがない。一般の人の体験談の場合、心霊現象の起きた事情がわからないことが多い。

 

「いったい、あれはなんだったのでしょう?」で終わる。

 

この瞬間、「ボクの時間を返してくれ〜!」とテレビに向かって叫びたくなる。心霊現象の発生理由や幽霊の動機がわからないままだと、後にはモヤモヤする気持ちが残るだけ。少なくともその場で殺人事件があったとか、一家心中があったとかという元ネタがほしい。

 

一般の投稿ならまだしも、映画やドラマとして公開されているのに、動機が明確になっていない作品がたまにある。ただ怖がらせるだけが目的で、幽霊のバックボーンがスルーされている。特に洋画のホラーに多い。

 

でも日本で有名な『四谷怪談』や『番町皿屋敷』という怪談、そして現代の『リング』にしても、幽霊の動機がはっきりしている。だからこそ怖い。人間の魂が怨霊になるには、それなりの動機が必須だと思う。

 

あるホラー映画を観たけれど、怨霊の動機がきちんと描かれていた。だから本気で怖かった。

 

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2023年 映画#92

『ウーマン・イン・ブラック 亡霊の館』( 原題:The Woman in Black)という2012年のイギリス映画。もしかしたら洋画のホラー作品は、この映画のように歴史のあるイギリスを舞台にした方がいいのかも。ダニエル・ラドクリフが主演していて、なかなかいい作品だった。

 

物語の舞台は19世紀末。ダニエル・ラドクリフ演じるアーサーは弁護士。4年前に息子が生まれたけれど、妻はその際に命を落としている。失意のなか息子を育ててきたけれど、仕事がうまくいかなくてクビになる寸前だった。

 

そこで進退をかけた仕事を上司から命令される。田舎町のクライシン・ギフォードという場所に、「イール・マーシュの館」という廃屋になった豪邸がある。女主人が亡くなり、その女性の遺言書を見つけるのが仕事だった。多量の文章が残されていて、そこから探すしかない。

 

息子をシッターに預けてアーサーはその村に向かう。ところが村の人たちの対応が冷たい。「イール・マーシュの館」に行くというだけで、すぐにこの村から立ち去れと言われてしまう。それでも生活がかかっているアーサーは館に向かった。

 

アーサーはそこで心霊体験をする。黒衣を着た女性を見た。そしてその翌日、村の子供が自ら農薬を飲んで死んでしまう。再びアーサーが館で黒衣の女性を見ると、また別の子供が火事で死んだ。

 

ネタバレをすると、この黒衣の女性が怨霊。この女性は気がふれているということで、息子を奪われた。その息子は姉妹の養子となった。ところがある事故が起きて、その息子は死んでしまう。怒り狂った女性は、自分の息子を見殺しにしたと姉妹夫婦に詰め寄る。

 

そしてその館で首を吊って死んでしまった。子供を奪われたことで怨霊となり、彼女の姿を誰かが見たら、村の子供が自殺や事故で死んでしまう。そしてその場には、黒衣の女性が必ず立っていた。子供を奪われたから、他人の子供を奪う。これこそが怨霊の動機だった。

 

アーサーの息子はまもなくこの村にやってくる。このままでは息子が殺されてしまう。アーサーは怨霊の呪いを解くため、ある行動に出る。行方不明だった怨霊の息子の遺体を見つけ出し、自殺した母と一緒に埋葬しようとした。そうすれば呪いが解けると。

 

アーサーはどうにか子供の遺体を見つけ出し、母親の墓へ埋葬した。これで息子が来ても大丈夫。だけど安全を確保するため、ロンドンにとんぼ帰りするつもりだった。息子と駅で再会したのち、しばらくしてロンドン行きの列車が到着した。でもそのとき、駅のホームに呪いが解けたはずの黒衣の女性が立っていた。

 

この後、どうなるか想像できるよね?

 

具体的に知りたい人は本編をどうぞ。せっかく怨霊の動機を見つけたんだから、めでたしで終わって欲しかった。もしかするとアーサーが見つけた怨霊の動機は正しくなかった? ということで続編があるらしい。機会があれば見てみよう。

 

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高羽そら|たかはそら(作家、小説家)プロフィール

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高羽そら(たかはそら)
今後の目標:毎年1つの物語を完成させたいと思います。
生年月日:昭和37年5月10日
血液型:A型
出身地:京都市

【経歴】
1962年京都市生まれ。数年前に生活の拠点を神戸に移してから、体外離脱を経験するようになる。『夢で会える 体外離脱入門』(ハート出版)を2012年1月に出版。『ゼロの物語Ⅰ〜出会い〜』、『ゼロの物語Ⅱ〜7本の剣の守り手〜』、『ゼロの物語Ⅲ〜次元上昇〜』の3部作を、2013年7月〜12月にかけて、オフィスニグンニイバよりAmazonのKindleにて出版。現在も新たな物語を執筆中。

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