家康と秀吉の腹の探り合い
昨日の金曜日は応援しているミュージシャンのリリースラッシュだった。ローレン・スペンサー・スミス、そしてキム・ペトラスがデビューアルバムをリリースした。さらにケリー・クラークソンも久しぶりにニューアルバムを出した。全員の曲を紹介したいけれど、あえて別のミュージシャンの新曲を紹介しようと思う。その主旨に賛同しているから。
新曲を出したのはデミ・ロヴァート。昨年、アメリカでは妊娠人工中絶の権利を最高裁が覆した。それを受けて、アメリカの各州で中絶が禁止される可能性がある。彼女はそんな事態を憂い、曲を書くことで世界にこの現実を訴えようとしている。
ここのところロッカーと言っていいデミ・ロヴァート。この新曲もハードなロックで、最高裁に対する彼女の怒りが激しいロックビートに投影されていた。彼女のメッセージを抜き出しておこう。
「安全な中絶を受ける憲法上の権利を最高裁が廃止してから1年が経ちました。前途は多難でしょうが、性と生殖に関する権利の闘いのために団結し続けていかなければなりません。自身の身体についての選択と自立を提唱する声を大きくするために“Swine”を作りました」
この曲の収益は、彼女が設立した基金に寄付されるとのこと。彼女を応援するために、リンクを貼っておこう。
さて、今週はかなり忙しくなりそう。音楽は聴きながら仕事ができるけれど、読書や映画はお預けになるかも。とりあえず読了した本から感想をアップしていこうと思う。
2023年 読書#62
『徳川家康〔10〕無相門の巻』山岡荘八 著という小説。今年の大河ドラマの参考書として読んでいる著作。全26巻なので、まだ半分以上残っているwww
それでも小説はドラマを追い越していて、この第10巻は柴田勝家を滅ぼしてほぼ天下を手中にして羽柴秀吉と、その隙に関東の多くを制圧した徳川家康との睨み合いが描かれている。歴史的には小牧・長久手の戦いと呼ばれている。
秀吉は目の上のたんこぶだった勝家を滅ぼし、あとは信長の三男である信孝と次男の信雄のみ。信孝は信雄に命じて切腹させた。このままではマズいと思った信雄は、家康に助けを求める。ということで両者の戦いが始まった。
戦争の結果だけで言うと家康の勝ち。秀吉は池田恒興やその嫡男の池田元助を戦死させてしまう。ところが家康はそれ以上攻めてこない。このあたりの腹の探り合いが本当に面白い。
家康の本音としては、秀吉に天下を取らせるつもりだった。もし家康が秀吉を滅ぼしてしまえば再び日本中が戦乱の世となってしまう。それならまずは秀吉に天下を統一させて、その後に自分がその天下をいただくという計画。それゆえ有利な条件で和睦に持っていくことを画策していた。
秀吉もそのことはわかっている。だけど家康を家臣という扱いにしなければ、他の武将に示しがつかない。二人の思惑に翻弄されたのが、家康の家老である石川数正。ドラマでは松重豊さんが演じているので、どうしても彼の困った顔が浮かぶwww
数正は家康の意向を誰よりも理解している。だから秀吉に天下を取らせる方向へと導く。だけど徳川の家臣からは裏切り者として命を狙われる。とにかく気の毒な役回り。ドラマで松重さんがどのように演じるのか楽しみ。
さて、頑張って仕事を終わらせて、再び戦国の世界へ戻ろう。
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