FFは悟りへの常道#29
『FFは悟りへの常道』は連載記事になっていますので、初めての方はリンクを順次さかのぼって#1の<目次>からお読みください。
前回の記事はこちらです。記事内容は改稿、訂正、加筆等が発生すると思いますので、それぞれの記事の冒頭に最新更新日を記載しています。
この記事の最新更新日:2024年2月26日(月)
本日付で#1の記事を更新しています。
<FFにおける他者との関わり方>
この第5章で語ってきたFFの手順の9つ目にあたるのが他者との関わり方です。FFを実践するうえにおいて最も重要な項目ですので、独立した節を設けて説明することにします。なぜなら私たちの悩みの多くが人間関係に由来するものだからです。
心理学者のアドラーはこのように述べています。「人間の悩みは、すべて対人関係の悩みである」と。極論のように思えますが、私はこの世界の構造を正確に言い表した言葉だと思います。例えば無人島で暮らすことで孤独を感じたとしても、裏を返せばそれは人間関係に由来する悩みです。
本来はたった一つのワンネス意識だった存在が、振動数を落として究極的に分離したのが『自我』という意識です。閉じた自分という世界を守るために、人間は他者との関わりで様々な経験を重ねています。愛や思いやり、そして慈悲や献身という行為も、他人、そして動物や植物という他者の存在があるから体験することができます。
当然ながら苦しみや悲しみ、そして怒りや嫉妬というようなネガティブな感情も、他者が存在することで経験しています。ここからあることがわかります。
私たちが過去生において抱えたカルマ、あるいは今の人生の課題の多くが、他者との関係によって発生しているということです。つまり、カルマの解消や課題を達成するためには、同じく人間関係を通してしかできないということです。
私たちにとって現実世界は「自由意志」という錯覚に支配された世界です。けれどもその本質はすべての出来事が決まっている「運命論」の世界です。これを人間関係に当てはめてみましょう。
『人との出会い、そして別れは必然であり、すべて決められている』
これこそが絶対的な原則です。例外はありません。両親や兄弟だけではなく、学校の同級生、恋愛や結婚相手、職場の上司や同僚、自宅の隣人という人たちだけでなく、道を歩いていてすれ違うだけの人もそうです。なぜなら私たちは完成した映画の世界で暮らしているので、それ以外の出来事は発生しないからです。
私たちはこの人生において、会うべき人とは必ず出会います。そして決められた時期に別れます。どれほど嫌いな人でも出会いますし、絶対に離れたくない人でも別れの時を迎えます。他者との出会いも別れも受け入れていくしかありません。
それゆえFFを使用する際には、この原則を自覚しておくことが大切です。つまりどんな人とも「一期一会」であり、「袖触れ合うも他生の縁」だということです。
私たちが『真の自由意志』を行使して自らの振動数を上昇させるために、人間関係ほど重要で貴重な機会はありません。私たちが感じる「感情」の多くが、人間間関係によって生じているからです。
この宇宙には基本的な法則があります。それは「作用・反作用の法則」です。私たちが発したものは、同様のものが必ず返ってきます。誰かを愛せば愛が、憎めば憎しみが返ってきます。誰かを傷つけることをすれば、自分が傷つくことを引き寄せます。
私たちの人生における出会いは、その「作用・反作用の法則」に起因していることが数えきれないほどあるはずです。
「今」の人生だけで見れば理不尽に思えることも、過去生と照らし合わせることで納得できることがあります。過去生で誰かを裏切ったことで、今の人生で誰かに裏切られるかもしれません。
けれども私たちは「今」しか知覚できませんから、その行動に怒りや悲しみを覚えます。ここで登場するのが『真の自由意志』になります。
人間関係において発生した「感情」をどのように昇華させるかが、「今」の人生で振動数の上昇を促すことにつながります。前節でも書いたように、そのことによって過去生や未来生に予想外の好影響をもたらし、宇宙全体をアセンションさせるための原動力とすることが可能です。
人間関係以上に『真の自由意志』を発揮できる場はありません。アドラーが言ったように、それがすべてだと言っても過言ではないでしょう。
つまり他者というのは、自分の「鏡」なのです。現在の人間関係のなかに、これまでの私たちのすべてが集約されています。出会いも別れも思うようにいきませんが、その瞬間瞬間に受け取った「感情」をどのように処理するかによって、全宇宙が影響を受けることになります。
全てはひとつである、というのが宇宙の原則です。つまり他者という存在は、究極的には自分なのです。それゆえ他人に為したことは、自分に為したことです。そのことを自覚して振動数を上昇させることで、私たちの意識は『自我』を超えて宇宙まで拡大していきます。それこそが「悟り」と呼ばれるものです。
ここで私見を述べます。FFを使うことで他者との関係から受け取った「感情」がどのようなものであれ、それを昇華させるたったひとつの方法があると考えています。もちろん愛や慈悲というものは必要です。それらは怒りや憎しみを鎮めてくれるでしょう。
けれども『自我』という閉じた存在が他者との関係で生じた感情を昇華させるために必要なもの。それは『許し』だと考えています。
こんなことを書いていますが、私は決して品行方正な人生を歩んできたわけじゃありません。特に人間関係においては思い返すだけで後悔することばかりです。
幼い頃から人間関係を維持することに関心がなく、時の移り変わりと同時に関係を断ち切ってきました。学校を卒業したらそれで終わりです。転職したら以前の職場の人たちとは音信不通になります。
親子や兄弟であっても、私は同じ態度を取ってきました。現状において縁がないのは、あえて関係を維持する必要がないと考えます。それゆえ親戚一同からは「冷たい人間」だと思われているはずです。そう言われているのを他人を通じて聞いたこともあります。
感情をコントロールできずに失った人間関係も数知れません。ネットで知り合った関東の男性と実際に会うほど仲良く交流したことがあります。けれどもちょっとした出来事が原因で腹を立て、それ以来完全に関係を絶ってしまいました。後になってそのことを後悔しても、とっさの感情を抑えきれません。そうして私は人間関係を破壊してきました。
でもFFを知るようになり、それを実践してある気づきを得ています。やはり全ては必要な出来事だったと。そうした出会いも別れも、私の人生に起きるべき出来事だったのです。
それゆえ後悔したようなことであっても、FFで『真の自由意志』を行使することで、その時の「感情」を書き換えて振動数の上昇に繋げることができます。なぜなら『真の自由意志』は時間世界の枠外にあるからです。
すでに亡くなってしまった人、もう二度と会えない人がいても、私たちが目を向けるのは『今』目の前にいる人たちだと思います。そしてその人たちとの人間関係において振動数を上昇させるように意図していくべきです。そうすることで、この人生で二度と会えない人たちへも想いを伝えることができると信じています。
その基本が「許し」だと思います。相手に「許し」を乞うこと、相手を「許す」こと、そして私が私自身を「許す」こと。そうすることで決められている他者との出会いと別れを活かすことができます。それを成せるのがFFです。
ただ、他者との関係において無視できないものがあります。それは『死』です。これについては第5章の最後で触れることにします。
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