今日の言葉 9月1日
『私たちは自分に知性があると思っている』
私たちは実に多くの書物を読み、他人が言ったこととか、他人の様々な理論、観念で頭が一杯になっています。数限りない著者によって著された数限りない書物から引用できたり、多岐に亘る書物を沢山読み、相互に関連付け、説明する能力があったりすると、私たちは自分のことを非常に知的であると考えます。しかし私たちには誰にも、あるいは極僅かを除いたほとんどには、独創的な知的構想力がありません。
知性——いわゆる知性——を養ってきたことで、他のあるゆる能力、他のあらゆる感性が失われてきました。だから私たちは、単に最高度の知的能力を持ち、客観的に思考でき、物事をあるがままに見るためだけでなく、自分自身で考え、真偽を極めて注意深く自分自身の目で見極めるために、どうやって自分の人生にバランスをもたらすか、という問題を抱えているのです。
このことは私たちの抱えている困難の一つであるように思えます。すなわち外面的な事柄のみならず、個人が抱えている内面生活——仮にそのようなものがあれば、の話ですが——をも見つめる能力が私たちには欠けているということです。
〜クリシュナムルティ著『四季の瞑想—クリシュナムルティの一日一話』より〜