SOLA TODAY Vol.9
詐欺をやる人はいつの時代にも存在しますが、どこか憎めない詐欺師の記事を見つけました。
現役20年でたった1ゴール…下手なのにプロで稼ぎ続けた“詐欺師FW”の手口がすごい
タイトルを見ただけで想像がつきますね。1979年にデビューした選手なので、少し古い話です。でも今のようにネットが存在しないからこそできた詐欺のようです。ちょっと笑いながらも、生きていく強さを感じさせる内容でした。
その人はブラジル人のカルロス・カイザー氏。貧困から脱出するためにプロサッカー選手を目指しました。とりあえずプロデビューしましたから、まったく実力がなかったわけではないようです。でも最初のチームは数ヶ月で退団することになります。
その後は3〜6ヶ月という短い期間の契約でチームを渡り歩き、20年間も現役を続けました。その手口が面白い。有名選手に取り入り、他のクラブに推薦してもらうという方法です。当時はネットがないので、クラブのスカウトは有名選手の言葉を信用します。
でも入団すればプレーをしなければいけません。そこで怪我をしたと申告して時間を引き延ばし、短い契約期間が終了すると他のクラブに移籍します。時には記者に賄賂を渡して自分を賞賛する記事を書かせたり、当時は高価な携帯電話を所有してスタッフが理解できない英語で話し、世界的に名が売れていることをアピールしました。
最大のピンチはフランスに移籍した時です。ブラジルから有名選手が来たということで、ファンを集めた公開練習が実施されました。テクニックを披露してくれと依頼されます。困り果てたカイザー氏は、ファンサービスのフリをしてボールを客席に蹴りこみ、ユニフォームにキスをするなど派手なパフォーマンスでファンを盛り上げてその場を切り抜けたそうです。
実にユニークな人です。実力でなく虚像を売り込んで生きてきた人ですが、わたしはあまり否定的な感覚を持っていません。現代社会だって、自分の虚像を売り込むことで成功している人が大勢いるはずです。真実だと思い込ませることで、特定のイメージを植え付けることは頻繁に起きています。
もしカイザー氏が現代社会に生きる人だとしても、ネットを使って同じように自分を売り込んだであろうと想像します。サッカー選手は無理だとしても、別の道を見つけたのではないでしょうか。詐欺といえば詐欺ですが、それを20年間も続けた努力は半端ないと思うのですよね。
彼の生き様にとても興味があります。小説や映画の題材にしたくなるような人物です。それでも1度だけゴールを決めているのですね。その貴重なゴールの瞬間を見た人は、まるで宝くじに当たったようなものです。褒めらられたことではありませんが、どこか見習うべきところがあるように思います。
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