SOLA TODAY Vol.474
先日あるネットでの投稿を読んで、ぶったまげた。主婦が通っているスーパーへの不満を書いたもの。
レジのシステムが変わり、商品の読み取りは店員がやってくれるが、支払いは機械を使って精算するようになった。つまり店員さんが現金等のやり取りをすることのない方法。セミセルフレジと呼ばれていて、最近は増えているよね。
その主婦は二度とそのスーパーを使いたくないとのこと。面倒になったし、現金のやり取りを機械にさせるような心ないスーパーを容認できない、と言っている。このシステムでさえ時代遅れで不満に思うボクにすれば、まさに開いた口がふさがらなかった。
ちなみにこの主婦は90代の老人じゃないよ。40代の人だからね。こんな化石のような人が存在するのに驚いたけれど、もしかすると氷山の一角なのだろうか?
そうだとしたら、日本はかなりマズいことになる。同じような警鐘を投げかけている人がいた。
ファミレスのロイヤルホストでおなじみのロイヤルホールディングスが、「現金支払いお断り」の店舗を試験的にスタートさせている。歓迎する声と同時に、批判する声もかなり多いらしい。
そんな現金至上主義者に対して、「社会悪」とまで言って非難している。この記事を読むと、その論拠に納得できる。
ロイヤルホールディングスが現金を使えないようにした最大の理由は、人件費を抑制するため。人手不足が懸念される飲食業界において、店員の仕事を効率化させることは避けられない。現金のやり取りをなくすだけで、店員の負担を減らし、時間を大幅に節約することができる。
この記事の例でも書かれているが、タクシーの現金払いをなくすことで1回あたりの時間が10秒節約できるらしい。なんだたった10秒か、と思うのは早合点。
日本人が1日5回の買い物で10秒節約できると、たった1日で140万時間の差が生まれる。140万時間だよ!このロスで仕事が邪魔される分を時給計算すると、約20億円の損失になる。現金支払いにこだわる人は、この損失に手を貸していること。
さらに現金をなくすことで、『地下経済』と呼ばれる犯罪を防ぐこともできる。窃盗、強盗、脱税、あるいはマネーロンダリング等、現金を介することで発生する害悪がある。日本では国家が把握していないそうしたロスが50兆円もあるだろうと予測されているらしい。
現金が消えることで、国家としても税収の増加が見込まれる。アメリカではすべての取引を電子決済にすれば、10兆円も税収が増えると試算されている。そんな機会を逸しているのは、現金至上主義者たちということだね
ここのところBitcoin等の仮想通貨が爆上げしている。普通の日本人サラリーマンが、早くからBitcoinを持っていたことで億万長者になっている。『お金』というものの概念が、大きく変化してきた証拠だろう。
日本は現金しか使えない店舗がかなりある。海外では100円のジュースを買うのに、電子決済が普通になっている。その事実を知ると、この記事の著者が言っている「社会悪」という表現は、かなり的を得ていると感じる記事だった。
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