SOLA TODAY Vol.589
ネット社会になって、めちゃ困ることがある。それはネットが使えないと、生活に支障が出るということ。プライベートだけでなく、仕事でもネットは必須になっている。
このブログのサイトが不安定なとき、それだけでイラっとする。自宅のWi-Fiがトラブったら、必死で直そうとする。ましてやネットそのものが使えなくなったら、パニックになってしまうかも。
実際にそんなことが起きている。
インターネット、最悪のシナリオが現実に —— 国全体がオフライン
アフリカからフランスにかけて、ネット接続を目的とした海底ケーブルが走っている。22ヶ国を結んでいるもので、ライフラインのような性質を持っている。その海底ケーブルが、今年の4月の初めに切断した。
その結果、モーリタニアでは2日間もネットが使用できなかったらしい。となりのシエラレオネ政府は、このトラブルによりネットのアクセスを制限している。どうやら大統領選挙があったらしく、ちょっときな臭い雰囲気が漂っている。なぜなら海底ケーブルが切断した原因がわからないらしい。
この事件は、ヨーロッパの人たちに衝撃を与えている。今やネットはビジネスに直結していて、株の売買や仮想通貨の取引はネットが主流。もしアクセス不能になれば、経済的な影響は計り知れない。
もちろん日常生活の買い物にも支障が出るし、宅配便の遅延を確認することさえできなくなる。20代以下の世代はネットが当たり前になっているから、ネットが存在しない世界をイメージすることは難しいだろう。
イギリスやアメリカの軍関係者によると、海底ケーブルの安全性を守るための施策が取られていないとのこと。それゆえ、ロシアが海底ケーブルの近くで活動していることに警告を発している。
2013年には、海底ケーブルを切断しようとしてエジプトで3人のダイバーが逮捕されている。クラッカーが行うハッキングもサイバーテロとしては怖いけれど、こうしたアナログ的なテロも脅威となる。ケーブルを切断するだけで、都市機能を麻痺させることができるからね。
だからといって、ネットがなかった時代の生活には戻れない。外出したときに公衆電話しか連絡方法がなかった時代なんて、ボクの世代でも信じられないほど。だとするとネットのインフラを守ることも、国防の目的とされていくのだろうと思う。
もしかしたら石油のパイプラインよりも、海底ケーブルのほうが重要視される時代なのかもね。
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