SOLA TODAY Vol.599
インバウンドの人たちが、大勢日本を訪れている。経済が成熟して成長の見込めない日本にとって、世界中の観光客に来日してもらうことは必須となっている。
神戸も、そしてボクの出身地の京都も、市街地に出るだけで外国人を見かける。そんな風景が普通になりつつあるけれど、あくまでも観光客として見ている。
ところが、ここは本当に日本? と思ってしまうほど外国人があふれている場所がある。
もう日本人の出る幕なし?外国人だらけのニセコに見る日本の未来
それは北海道のニセコ。外国人が多いというのは、数年前から知っていた。パウダースノーの雪質が有名で、夏にスキーを楽しみたいオーストラリアの人たちが押しかけていることは把握していた。だけどボクはスキーをやらないので、そこで情報は停止している。
現在のニセコは、そんな程度ではないらしい。もし目隠しをされて連れてこられたら、日本人のほとんどがここは外国だと思ってしまうそう。そんな状況になっているとは知らなかった。
スキー場に隣接しているホテルに行くと、最初に表記されているのは日本語ではなく英語らしい。ホテルの従業員も基本は外国人で、ホテル内の公用語は英語になっている。
この記事の著者がホテル内の寿司店に入ると、どう見ても日本人にしか見えないのに、板前さんが英語で注文を取ろうとしたそう。見た目が日本人でも、外国人だといういう人が多いからだろう。
ニセコでもっとも栄えている「ひらふ」エリアでは、スイスやイタリアの高級リゾートのようなホテルや店舗が建っているそうで、店内の表記が英語オンリーの店も多数あるらしい。外国資本の店舗が多いので、従業員も外国人。
高級リゾートホテルがいくつも建設されて、一泊50万円もする部屋が2019年のスキーシーズンまで予約で埋まっているとのこと。まさかここまでになっているとは。さすがに驚いた!
海外の富裕層を対象とした設定になっているので、外食の値段も半端なく高い。そして外国語を自由に話せることが必然なので、日本人の従業員ではつとまらない状態になっている。
地元はさぞ潤っているだろうと想像できるけれど、実態はまったく反対。不動産開発も外国の企業が参入しているので、地元の人にお金が落ちないらしい。記事にも書かれているけれど、「外国人の、外国人による、外国人のためのリゾート」と化している。
本来日本の企業や政府が目指すのは、このような状況だと思う。ニセコの現状を分析することで、外国の人たちが日本に求めているものの本質をつかめるように思う。ポイントとなるのは、いかに海外の富裕層を来日させるかどうかだろう。
京都でも次々と高級ホテルが建設されているのは、ターゲットを富裕層に絞りつつあるからだと思う。カジノ構想も発想は同じ。カジノで遊んでくれる富裕層を呼ぶことが、日本にとって最大のメリットになる。パチンコを野放しにしているのに、ギャンブル依存症の心配をしている場合じゃないと思うけれどw
このままではもったいないよね。日本の行政や企業が協力して、日本人の手でニセコのような観光地を全国に作れるようにするべき。そうすれば観光立国としての、日本の未来が見えてくると思う。
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