SOLA TODAY Vol.675
常識なんてものは、時代に連れて変わっていくもの。それが当たり前だし、そうでないと困る。100年前と同じ常識がまかり通っているとしたら、人類の未来は絶望的だ。ましてや現代において、その100年が10年に相当するほど変化が早い。
そんな変化についていけず、今だに日本ではびこっているものがある。それが『礼儀』というもの。
礼を尽くすことがダメなのじゃない。その方法が大きく変化していることを自覚するべき。いわゆる『老害』と呼ばれる人たちがその自覚を持つことができず、古い慣習を押し付けようとしている。
そんな状況を的確に解説した良記事がある。
日本人は礼儀もアップデートできていない。礼儀2.0世代が感じる「相手の時間を奪う」非効率なマナー
アップデートを象徴する言葉になった『2.0』と称される概念。最近では『お金2.0』というタイトルの本がベストセラーになっている。
この記事では古い礼儀を『礼儀1.0』と称し、新しい時代のものを『礼儀2.0』と呼んでいる。とてもわかりやすい。
『礼儀1.0』がこの記事で例示されている。あるある、だよねw めちゃウケてしまった。
・もらった名刺は偉い順、1番偉い人の名刺は名刺入れの上に置く(「名刺に座布団」)
・名刺交換するときは相手の名刺より低く渡す
・お客さんをエレベーターまで見送る、扉が閉まるまでお辞儀する
・乾杯のビールは相手より低くする
・会議や食事会で相手(目上の人)が座るまでは座ってはいけない
・お茶を出されても勧められるまで飲まない→勧められても上司が口をつけるまで飲まない
・暑くても勧められるまでジャケットを脱がない
これをやることが、別に悪いことだとは思わない。だけど若い世代に強要するのはちがうと思う。先ほども書いたけれど、『礼儀』が失われているのではなく、変化しているとことだろう。
この記事で『礼儀1.0』はこう定義されている。
『相手のために自分がいかに時間を使ったかに価値がおかれる』
手書きの年賀状や手土産、あるいはゴルフ接待だと書かれている。うん、うん、そうかもしれない。
一方『礼儀2.0』はこう定義されている。
『いかに相手の時間を奪わないか』
そうそう、今はこれが礼儀の中核をなしているものだと思う。ネットの進歩により、LINE等の通信手段が発達した。Skype等もある。その気になれば直接に顔をあわせることなく、世界のどこにいても打ち合わせをすることができる。ほとんどの要件をLINEで済ますことは可能だろう。
経済活動のスピードは増す一方なので、最先端を走っている人は時間管理に厳しい。不毛な会議や無駄な電話で時間を奪うことが、何よりも礼儀を欠いていることになる。
相手の時間を奪うことなく、最大限の礼を尽くす。『礼儀2.0』とはそれを実践したものだと思う。形骸化した礼儀ではなく、より現実的で効率的なものに変化しているんだろう。
ボクたちの年代は『礼儀1.0』が心の奥まで染みついている。社会人のマナーとして叩き込まれてきたから。もちろんその精神は大切だけれど、同じものが現代社会においては通用しなくなっている。そのことを自覚しないと、『老害』と呼ばれてしまうんだろうね。
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