SOLA TODAY Vol.717
いよいよ銀行の正念場が近づいてきたかも。今、発想を根本からシフトしていない銀行は、近いうちに淘汰されてしまうと思う。
それは単なる予測ではなく、具体的な動きとして現れている。
現金信仰が強い日本でも、キャッシュレス化が少しずつ進められている。強盗のような凶悪犯罪や知能犯による脱税は、キャッシュレス化によって大幅に減るはず。ただ便利になるというだけでなく、あらゆる方面での好影響が見込まれている。
最近になって都銀あたりもそのことに気がつき、QRコードの規格統一が進んでいる。中国の影響があると思うけれど、日本がキャッシュレス化に向かうとすれば、QRコードがメインになるだろうからね。
ただどれだけ銀行が必死になっても、最先端のIT企業には勝てない。そのことがこの記事にわかりやすく書かれている。一読して感じたけれど、たしかに銀行に勝ち目はない。マネタイズ方法がまったくちがうから。
この記事ではLINEペイが取り上げられている。LINEは決済業務に関して、大きな一歩を踏み出している。最大手の三菱UFJ銀行でも利用者が4000万口座なのに、LINEの利用者は7000万人を超えている。この段階ですでにヤバい。
LINEペイの利用は店舗がアプリをダウンロードするだけで使用可能。利用者は店舗にあるQRコードを読み込むだけで支払いができる。問題となる店舗の手数料は3年間無料。それ以降もクレジットカードの手数料に比べたら、はるかに安い金額で済むらしい。
なぜならLINEは決済手数料で収益をあげようと思っていないから。利用者がLINEペイを使うと、その店舗とLINEで友達扱いになる。すると店舗としてはクーポンやバーゲン情報を顧客に送ることができ、その広告料をLINEは収益にしているらしい。
だけど銀行の収益は決済手数料に依存している。それゆえ無料なんて絶対に無理。この時点で、勝負あった、ということ。
そしてこの先に仮想通貨が一般化してくると、振込手数料等も期待できなくなる。銀行という中央集権組織を通さず、利用者同士が個別に送金し合うようになるからね。銀行の断末魔の声が聞こえてきそう。
日本ではまだ時間がかかるかもしれないけれど、キャッシュレス化は確実に進む。そうなると利用者も店舗も、より有利なシステムに移行するだろう。熾烈な競争が展開されるだろうけれど、すでに銀行はレースから脱落しているかもしれない。この記事を読んで、そんなふうに感じた。
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