SOLA TODAY Vol.830
安全と安心は、似ているようでちがう。
安全は客観的なデータや検証によって担保される。でも安心はメンタルな要素が大半を占めるので、どれだけ事実を積み上げても書き換えるのが難しい。
まさにその安全と安心のちがいを、わかりやすく解説した記事がある。
遺伝子組換植物がスーパーに出回るようになって久しい。ボクはまったく抵抗がないので、特に気にせず買っている。そもそも日本で消費されている大豆の9割は輸入で、そのほとんどが遺伝子組換を採用している。わざわざ避けるほうが難しいだろうね。
だけど「遺伝子」という言葉だけで、なんとなく警戒心が発令してしまう。それゆえ、どうしても反対派の意見に耳を傾けてしまうことになりやすい。その不安感がいつしか定着して、客観的な事実を受け入れられなくなってしまうのだろう。
この記事では、遺伝子組換植物に対する誤解がわかりやすく解説されている。その誤解を記事から抜粋してみよう。
・虫が遺伝子組換え植物を食べて死ぬのに人間が食べて安全なはずはない
・遺伝子組換え植物を食べ続けるとガンになる
・遺伝子組換え植物は日本で流通していない
・遺伝子組換え植物の栽培により農薬散布料が増える
これら4つの誤解がどのようにして生まれ、実際はどうなのか解説されている。もしこれらを事実だと思っている人がいるのなら、一度この記事を読んでみるべきだろう。現実がどうであるかを、知っておくほうがいいと思う。
ただ人間の心理というのは複雑で、正確なデータで安全を示しても安心するとは限らない。心のどこかに不安が残っていると、すぐに反対する人の意見に同調してしまう。そうなると科学的な考察でさえ納得できないだろうね。
普通にこの記事を読めば、遺伝子組換植物がそれほど気にするものではないことが理解できるはず。でも『不安』というバイアスのかかった視点で読んでしまうと、もう何も信じられなくなってしまう。
そしてただ単に反対することだけに執着しているような人は、このような記事さえ読もうとしないだろう。だからこの記事に書かれているとおり、安全と安心が交わることなく、両者はいつまでも平行線をたどってしまう。
自分の心を柔軟に保っていないと、時代の変化についていけないと思う。感情だけで物事を判断してしまうと、事実が見えなくなる可能性がある。賛成意見と反対意見に対して、同じ距離感を持って接することができるようにならなければね。
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