吸血鬼退治に欠かせないもの
今朝起きたら、空が燃えていた。妻がカーテンを開けると、異世界にいるような世界が広がっていた。
Instagramにも投稿したけれど、この幻想的な美しさに感動して声が出なかった。ほんの一瞬のことだけれど、こんな景色を見ることができてラッキーだった。
だけど同時にあることを想像した。この色が、なんとなく血の色に見えたんだよね。それは昨晩、ある小説を読んだからだと思う。吸血鬼によって廃墟のようになった町は、もしかするとこんな空になっているんじゃないだろうか。そんなことをイメージする景色だった。
『呪われた町』下巻 スティーブン・キング著という小説。
先日のブログで簡単に上巻を紹介したけれど、昨日ようやく下巻を読了した。映画にもなった有名な『キャリー』でメジャーデビューしたスティーブン・キングの二作目がこの作品になる。だからかなり古い小説だよね。
だけど上巻の紹介でも書いたけれど、著者がライフワークと呼んでいる『ダーク・タワー』シリーズにつながる作品で、今後の彼の作風を牽引する小説だと思う。とにかくめちゃめちゃ怖くて、めちゃめちゃ面白かった。
セイラムズ・ロットという架空の町に吸血鬼がやってきた。上巻では少年が最初の犠牲者になり、彼もまた吸血鬼となって町の人間を襲う。下巻になると吸血鬼の攻撃は大胆になり、町の人間の半数以上が吸血鬼になってしまう。これがゾンビなら『バイオハザード』だよね。
まさに吸血鬼版『バイオハザード』という内容になっている。ちょっとウケたのが吸血鬼の殺し方。ドラキュラ作品に対するリスペクトなのかもしれないけれど、著者は伝統的な方法にこだわった。
それは心臓に杭を打つ、という方法。さらに十字架とニンニクは必須。主人公は小説家のベンで、彼は一緒に戦うことになった医師のジミーに、なぜ吸血鬼がニンニクを嫌がるのが尋ねるシーンがある。ジミーの答えが最高だった。
「ニンニクのアレルギーなんだろう」
おいおいアレルギーなんかよ、と突っ込みながらも、恐怖の世界にどっぷり浸かることのできる作品だった。特にベンが、吸血鬼になってしまった恋人のスーザンの心臓に杭を打つシーンは、主人公の心の痛みがリアルに伝わってきて苦しかった。
最後まで吸血鬼と戦ったのは、小説家のベン、医師のジミー、教師のマット、神父のキャラハン、そして小学生のマーク。吸血鬼の親分であるバーローの心臓に杭を打ったのはペンとマークで、無事なのはこの二人だけ。ジミーはバーローに殺され、マットは病死。キャラハンはバーローの血を飲まされたことで、吸血鬼の刻印を身につけてしまう。
ちなみにキャラハンのこの後の人生は、『ダーク・タワー』シリーズでくわしく書かれている。その刻印によって吸血鬼が見えるようになったキャラハンは、吸血鬼ハンターとして活躍することになる。そして彼の最後も、吸血鬼に関わるものだった。
さてさて、スティーブン・キングの追っかけはまだまだ続く。それだけ楽しみがあるということだよね。
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