SOLA TODAY Vol.959
技術革新がもたらす恩恵は、その内容によって様々。それでも全体として共通しているメリットがある。
それは進歩が『時間』を短縮したこと。
時間をお金に換算すると、どんな宝石よりも価値があると思う。その時間を短縮して有効利用できることほど、社会に恩恵をもたらすものはない。
わかりやすいのが交通手段。馬しかなかった時代とジェッド機が飛び交う現在と比べたら、時間がとてつもなく短縮されている。そのことによって物資の流通だけでなく、人間の移動が経済や文化を活性化してきた。
ネットの発達も時間短縮に大きく貢献している。遠い外国で暮らす人と、同じリビングで過ごしているかのように会話できる時代になった。そして人間はさらに時間を短縮しようとしている。
なんと数千年を2年に短縮する技術が実用化されている。
それはアイスランドでのこと。氷河と火山、そして間欠泉の多いアイスランドでは、エネルギー生産の半分以上を地熱でまかなっているそう。世界最大の地熱発電所があり、ほぼ無限に使える水と地熱を利用して、発電機のタービンを回している。
ところが火山は多くの二酸化炭素を排出する。この発電所でも多くの蒸気が二酸化炭素を生み出す。これでは地球の温暖化を進めてしまう悪因となるので、この二酸化炭素をどうにかしようとプロジェクトが組まれた。そしてそれが成功している。
記事から抜粋してみよう。
『プロジェクトでは、発電所から排出される蒸気に含まれるCO2を回収し、圧縮・液化させ水に溶かす。プロジェクト責任者のエッダ・シフ・アラドッティル(Edda Sif Aradottir)氏は「基本的にCO2から炭酸水を作っているだけだ」と説明する。
この炭酸水は送水管によって数キロ離れた、灰色のドームが並ぶ、月面のような景観をした地域に送られ、地下1000メートルの岩層に注入される。CO2溶解液が石の細孔を満たすと、ガスが玄武岩内のカルシウムやマグネシウム、鉄などと化学反応を起こし、凝固が始まる』
これは自然現象でも起きていることで、二酸化炭素は石に変えられてきた。ところがそれは数千年もかかってしまう。
今回のプロジェクトの成功によって、その数千年をたった2年に短縮することができた! 短縮の規模がデカすぎて実感が持てないくらい。
この方法なら自然に悪影響を及ぼすことなく、二酸化炭素を石化できる。それもたった2年でだよ。唯一の問題は、これが世界的な技術となるのは難しいことらしい。大量の脱塩水が必要なので、いまのところアイスランドでしかできない。
もしこれが塩水で可能になれば、世界中で二酸化炭素を無理なく減らすことができる。その研究も進んでいるそうなので、いつか実用化されるかもしれないね。
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