メタボ健診は無意味かも
喉元過ぎれば熱さを忘れる、という言葉は人間心理を的確に言い表していると思う。ボクなんか、その典型だろうな。
痛みは嫌だからボクはどうにかする。でも痛み止めが効いたら、その原因を追求しようとは思わない。要するに面倒なことを避けようとしているんだね。だから何十年も前に治療した歯の不具合に見舞われる。
その思考回路は、健康診断にも影響している。予防医学が大切なことを頭で理解しつつも、定期検診に通っているのは歯科だけ。神戸に来てから12年目に入ったけれど、一度も人間ドックを受診していない。
行こうという気持ちはある。だけどいま現在に不具合を感じていなかったら、別にええやんと思ってしまう。さらに人間の寿命なんて決まっているんだからと自分を納得させる。どっちにしたっていつか死ぬんだからね、と。
そんな心理は健康診断を受けている人にも共通しているらしい。
メタボ健診の健康増進効果はほぼゼロ? 年200億円超もの税金を投入する価値はあるのか
成人病の温床になりやすい肥満を防ぐため、メタボ健診が実施されている。2008年から開始されているので、すでに10年以上も継続されている。このメタボ健診に、なんと税金が1年で200億円も投入されているそう。
その費用対効果を検証したのが、このリンク先の記事。くわしくは記事にゆずるけれど、ほぼ効果がないという結果が出ている。この健診によって肥満が減少したという相関関係が認められない。そりゃそうだと思う。
ガンや心臓病等、具体的な病名を告知されたら人間は大あわてになる。なんとか治療をしようと必死になるし、医師の指示にしたがうだろう。つまり最初に書いた喉元が熱い状態だね。
だけどあなたはメタボですよ、なんとかしないと病気になりますよ、という結果を見てどうだろう? なかには一念発起する人もいるだろうけれど、たいていはすぐに忘れてしまうと思う。ちょっと気にしつつも、焼肉やラーメンに舌鼓を打っているだろう。
リンク先の記事に、興味深いことが書かれていた。
『日本語には2つの異なる「ケンシン」がある。メタボ健診などの「健診(健康診断)」は、肥満や高血圧など、幅広い生活習慣病のリスク因子の早期発見を目的としたものである。一方で、「検診」は、がん検診のように特定の病気を早期発見することを目的としたものである』
この言葉にすべてが現れている。人間は『検診』だとマジになるけれど、『健診」だと自分の状況に向き合わないということ。どうにかなるだろう、と思ってしまうんだろうね。そんなものに何百億円もの税金を注ぎ込むことに疑問を感じるのはたしか。
といようなことをここまで書いて思った。これはどう見ても、ボクが健康診断を受けていない言いわけだよなぁ〜〜www
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