性の意識改革をやるべきなのは?
LGBTという言葉が認知されつつあるが、まだ現状とのズレが大きい。それゆえカミングアウトできずに、心を痛めている人は数知れないだろう。
ボクが子供だったころは、性同一性障害という言葉さえ耳にすることがなかった。そして同性愛者に対しては、批判的な視線が向けられていた。
やがてニューハーフという言葉が浸透するようになり、少しずつ性に対する多様化が意識されるようになった。そしてようやくいまになって、法律的な対応も見直されるようになってきた。同性婚に対して、日本はまだかなりの後進国だけれど。
日本人が性の多様性を認知できるようにするために、真っ先に改革に着手するべきところがある。
それは教育委員会、並びに教師たち。早急に対応しないと、子供たちの命に関わることになる。
「血ヘドを吐く思いでスカートを着ていた」高校生が変えたい学校の“現状”
戸籍上は女性だけれど、本人の意識は男性である高校生にインタビューした記事。中学生になると制服となる公立中学がほとんど。だけど心は男性なのに、女性用の制服を着なくてはいけない人の苦悩は無視されている。
記事のタイトルにあるように、この人は血ヘドを吐く思いでスカートを着用していた。男性なら想像できるだろう。自分が毎日スカートをはいて通学するのと同じこと。
だけど学校はそんな人たちの心に寄り添うことはない。いまのようにLGBTが認知されている時代であっても同じ。『決まり』だから、『校則」だからということで、想像力の欠如した対応しかできない。
この人はあまりに辛く、スカートをやめてジャージで通学したそう。すると教師はジャージでの授業は認められないとして帰宅させた。これは義務教育の根本を理解していない悪質なやり方。義務教育というのは子供にとっての義務でなく、大人が子供に教育を受けさせる義務を負うこと。
ましてや学ぶ権利を侵害するようなこの行為は、教師として恥ずべきことではないだろうか?
それで耐えきれずに中学校3年のときにカミングアウトした。ところが教師の対応はつれない。「あと半年なんだから」と我慢を強いられたとのこと。
この人は高校受験に際して、制服のない学校を選んでいる。どうしてこんなことで悩まなくてはいけないのか? リンク先の記事を読んでいて、学校教育に対する怒りを止められなかった。
この人は何度も自殺を考えたらしい。そして全国に同じような思いをしている子供は大勢いるはず。
いま早急に性に対する意識改革をするべきなのは学校だと思う。急がないと子供の命に関わってくる。
まず取り組むべきは教育委員会。そしてそこから各学校の教師が世界の現状を認知するべき。トップダウンで意識改革を進めていかないと、絶対に上からの圧力で潰されてしまう。
ただし現状は厳しい。都道府県の知事でさえ、教育委員会はアンタッチャブルな組織となっている。だからイジメ問題でさえ隠蔽しようとする。教育組織の根本的な再構築をしない限り、いつまでも子供たちの性を無視した制服を強要することになるだろうな。
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