うがい薬買い占めの理由に納得
ここのところ話題となっているイソジン問題。大阪府知事の吉村さんの発言によって、新型コロナウイルスの予防になると思い込んだ人がドラッグストアに殺到した。なかには転売目的の人もいただろうけれど、ほとんどの人はウイルス対策としての行動だろう。
ドラッグストアに駆けつけたのは、おそらくネットをあまり利用せず、情報収集をワイドショーに頼っている情弱の人たちだと感じている。ただし買い占めに走る人の背景にある心理的要素について、学校教育の観点から考察された記事を読んで納得した。
そしてボクも人ごとではないのを感じた。
ポビドンヨードについて落ち着いて調べたら、予防効果があるという極端な発想にならないだろう。むしろ副作用等の方が目につく。吉村知事も予防効果については誤解があることを翌日に説明している。なのに大勢の人が買い占めに走った。
リンク先の記事によると、「本当に効果があるとわかったときに入手できないと困るから、とりあえず買っておくか」という、ゲーム理論に基づく消費者の自然な行動とのこと。この背景にある心理作用がちょっと怖い。
日本人は権威に弱く、公的な立場の人の言うことを無条件に信頼する、という心理。
こうなってしまうのは、日本の学校教育に原因があるらしい。そう言われてみれば、なるほどとうなずくしかない。大人が子供の言ったことを否定すると、「学校の先生がそう言ってたもん」と反論することがある。つまり教師の言うことは『絶対』だということ。
それは日本の学校教育がそうした方針で進められてきたから。教えられた事実を鵜呑みにするのではなく、批判精神を育てて議論するという教育方針が取られていない。決められたカリキュラムについて、教師が教えることをそのまま記憶する。それに対して批判や反抗をすれば、落ちこぼれと見なされてしまう。
リンク先の記事のデータを見て驚いた。経済協力開発機構(OECD)が、48カ国・地域の小中学校段階の教員を対象に行った調査によるもの。そのなかに「批判的に考える必要がある課題を与える」という項目がある。
そういう指導をしているかどうかについての調査によると、アメリカは78.9%、カナダは76%、イギリスは67.5%、オーストラリアは69.5%となっている。アジアではシンガポール54.1%、台湾48.8%、韓国44.8%。国民の体制批判に敏感な中国でさえ53.3%、ロシアも59.7%なっており、48カ国の平均でみると61%だった。
さて日本はどうか?
なんと12.6%という、圧倒的に低い数字。予想はしていたけれど、かなりショックだった。日本人には権威を有する人の発言に対して批判する視点を持つことなく、それらについて自分の頭で考えようとしない傾向が強い。だから吉村知事のような著名人が発言したことを、よく考えもせずに鵜呑みにしてしまう。
ネット社会は様々な情報が飛び交っている。そのなかにはデマだけでなく、意図的に流されている嘘もある。だからなんでも鵜呑みにしていると、情報に振り回されるだけ。一度立ち止まって情報を整理して、自分の頭で考える習慣をつける必要があるよね。ボクも気をつけよう。
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