妖怪が日常にいる世界
新作小説の追い込みをかけているので、朝からずっと座りっぱなし。そのせいかお尻が痛いwww
まさに猫の手も借りたい状況なんだけれど、猫に手を出されても邪魔なだけ。こんなときキーボードを打ってくれる妖怪でもいたらいいのに、とマジで思ってしまう。
そんな妖怪、物語では妖(あやかし)たちが普通に登場する小説を読んだ。
『しゃばけ』畠中恵 著という時代小説。なんとなく面白そうで電子書籍で読み始めた。イマイチだったらやめるつもりだったけれど、この物語の世界にあっという間に引き込まれてしまった。
妖怪といえば、ボクの世代なら『ゲゲゲの鬼太郎』だろう。最近の作品は知らないけれど、子供時代に放送していたアニメは再放送も含めて何度も見ている。あの物語も妖怪が普通に登場する。ところがこの小説は、江戸時代という舞台が実にうまくマッチしていた。
主人公は一太郎という廻船問屋の後継ぎ。この物語ではまだ17歳で、系列の薬種問屋を任されている。いまで言えばドラッグストアのようなもの。その一太郎には佐助と仁吉という手代が世話役でついている。実はこの二人は妖怪。
佐助は犬神、そして仁吉は白沢という名の妖怪。一太郎は子供時代から病弱で、何度も死にかけている。そんな孫を心配した祖父によって、二人の妖怪は世話役を任された。この二人がめっぽう強いくせに、かなりの心配性。だから一太郎がちょっと風邪をひいたくらいで大騒ぎをする。いいキャラだよね。
一太郎には腹ちがいの兄がいた。病気がちな自分の未来を心配した一太郎は、縁を切られてひっそりと暮らしている兄の松太郎を訪ねようとする。そのときある殺人事件に巻き込まれてしまう。やがてそれは薬種問屋を狙った連続殺人事件となる。
その殺人事件を起こしたのは、人間ではなく妖になりそこねた存在だった。結果として病弱な一太郎の活躍によって、事件が無事に解決するという物語。とにかくたくさんの妖怪が出てくるので楽しくて仕方ない。
そして驚いたのが、実は一太郎の祖母が妖だった。つまり祖父は自分の妻が人間でないことを知っていた。そして娘、つまり一太郎の母もそのことを知っていた。最初の子供をうんだときに死産だったことで、一太郎を身ごもったときに祖母が動く。
ほぼ死産だった一太郎を生き返らせるため、祖母はある神に仕えることを条件で生き返りの薬をもらう。それによって一太郎は生きることができた。だから死んだと言い聞かされていた祖母が、実は妖として生きていることを一太郎は知る。
ひょうひょうとしたボンボンの一太郎のキャラが最高。そして彼を取り巻く妖怪たちがこれまた楽しい。この物語はシリーズ化されていて、なんと13弾まで出版されているそう。これは絶対に読まなければ。しばらく妖怪の世界を楽しめそうだなぁ。
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