「マック地蔵」ってなに?
新型コロナウイルスの影響で定着しつつあるウーバーイーツ。それに追いつけ追い越せという勢いで、出前館も売上を伸ばしている。
ただボクはどちらも利用したことないし、基本的に使うつもりもない。だから関連記事も興味がないんだけれど、ある言葉に目が止まった。
それは『マック地蔵』というもの。気になって記事を読んでみると、なかなか興味深い内容だった。
ウーバーイーツ配達員が「マクドナルド」に群がるワケ…絶対に儲かる”マック地蔵”とは
ネットで取り上げられていたが、月に100万円を稼ぐというウーバーイーツの配達員がいるらしい。だけどそれはほんの一部の人であり、ほとんどの人はかなり大変な状態とのこと。その理由は競争が激しいから。
配達員が増えたら、当然ながら仕事の奪い合いになる。そのうえ料理店と配達先の距離が離れていると、時間単位の収入が減るだけでなく、ライバルに仕事を奪われてしまう。そこでマクドナルドが登場する。
マクドナルとは店舗展開が住宅地に密着している。だから短い時間で配達ができるので、時間給の単価が自動的に上がる。それゆえマクドナルド周辺で待機する配達員が増えたことで、『マック地蔵』が出現しているらしいwww
ところが『地蔵』がいっぱいいる。少しでも稼げるようにと、配達員が密集してくる。さらに料理店が少ない地域だと効率が悪いので、越境してくる配達員が増えているらしい。
面白いことに、どの配達員が選ばれるかはランダムな抽選らしい。だからスタンバイして、『マック地蔵』になっているのだろう。
いまや配達員の仕事もレッドオーシャン化しつつあるということ。そのうえ出前館も追随してきているので、稼げる人は減ってきているのだろうね。
最初にも書いたし、以前のブログで記事にしたように、ボクはウーバーイーツがあまり好きじゃない。基本的にデリバリーを利用しないし、料理途中にキャンセルされると食品が廃棄されるシステムが大嫌いだから。
そして、もうひとつ大きな理由がある。
料理を作っている人との距離感があること。従来の出前というのは、近所のうどん屋さんの人が配達してくれる。心の中まではわからないけれど、少なくとも自分の店の商品を運んでいる。ピザのデリバリーも同じ。
でもマッチングによるデリバリーは、まったくその商品に愛着を持たない人が運んでいる。古臭いかもしれないけれど、その感覚がどうも苦手なんだよね。
もちろん仕事なんだから、配達員の人は丁寧に持ってきてくれると思う。逆にお店の人の配達であっても、心ない出前をする人もあるだろう。だからこれはあくまでもボク個人の感覚の問題。
おそらく京都の祇園で仕事をしていた影響が強いと思う。祇園町というのは分業制が確立していて、お茶屋さんは料理を作らない。仕出し屋さんに注文することで、お客さんの宴会の進行に合わせて料理が到着する。
そのタイミングを見計らうのは、お茶屋の女将さんの技量の高さなんだけれど、それに対応できる仕出し屋さんもすごい。
自分の店で作る料理を、完璧な状態で食べて欲しいからからこそ、移動時間を考慮して料理が作られる。そしてその料理を運ぶのは、いずれは料理人となる若い板前さん。
ボクはそんな完璧な仕出し屋さんの様子を見てきたから、どことなくウーバーイーツのようなマッチングが好きじゃないんだろう。
料理だけでなく、作ったひとの「心」も一緒に運んで欲しい。それがどれだけ難しいかを祇園で見てきたから、ウーバーイーツを利用する気持ちになれないんだと思う。
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