『どうする家康』以前の理解完了
大河ドラマほど歴史を深掘りするチャンスはない。ドラマで人物像のイメージと名前を記憶できるので、勉強すればその時代のことをより深く理解できる。
『どうする家康』の理解を深めるために選んだのは、まだ未読だった山岡荘八さんの『徳川家康』という超大作。文庫で26巻もあるので、おそらく大河ドラマが終了しても読了できていないだろう。それでもいいから、最後まで読もうと思っている。ということでようやく第2巻を読了した。
2023年 読書#31
「徳川家康〔2〕獅子の座の巻』山岡荘八 著という小説。前回の第1巻は家康、つまり竹千代の両親が物語の中心。松平広忠と於大の方の結婚、竹千代の出産、そして於大の方が離縁されて再婚するまでの物語だった。
ボクは戦国時代が大好き。でも推しは織田信長なので、彼を中心とした出来事ならオタク並みに知っている。だけど家康が生まれる以前についてはあまり詳しくなかった。だから『どうする家康』がスタートしたとき、彼が桶狭間の合戦に参戦するまでの事情が理解不十分だった。特に三河の家臣団との関係が曖昧だった。
だけどこの第2巻を読了して、ようやく『どうする家康』以前の状況を理解できた。この第2巻では竹千代が今川家に人質に出されることになった。ところがその途中で織田方に寝返った武将に連れ去られ、竹千代は織田家の人質となってしまう。当然ながらそこで若き日の信長と出会う。
三河の家臣団にすれば、竹千代のことが心配。そのうえ竹千代の父である松平広忠が家臣に殺されてしまう。竹千代を救う方法はただひとつ。三河の安祥城の城主である織田信広を攻めて生け捕りにすること。そして人質交換を申し入れるしかない。
信広は嫡子ではないけれど、信長の兄にあたる。だから三河の家臣団が必死になって戦ったのが痛いほど伝わってきた。その努力が実り、人質交換が成立した。ということで竹千代、つまり家康は今川の駿府で人質となって暮らすことになる。そこで未来の正室である瀬名と出会うというわけ。
そして信長は斎藤道三の娘である濃姫を娶る。いよいよボクが詳しく知っている時代になってきた。そして第2巻の最後では、信長の父である信秀が病没する。若い信長が四面楚歌となった苦しい時代。まだ家康は9歳の少年だったけれどね。
ドラマの時代にまではまだまだ時間はかかる。だけどおおよその三河の歴史が理解できた。ドラマで家康が三河に戻ってきたとき、家臣たちが泣き崩れて喜んだ理由がよくわかる。年老いた武将たちは自分たちが戦ってきた結果であり、若い家臣たちは彼らの親たちが命をかけてきた結果だったから。
織田家の家督を継いだのに味方がいない信長と比べたら、家康という人は幸せ者だと思う、小説の家康はドラマとちがって、キリッとした肝の太い少年。だけどドラマで松本潤さんが演じている、どことなく頼りない家康も大好き。ドラマも小説も、これからますます面白くなりそう。
ブログの更新はFacebookページとTwitterで告知しています。フォローしていただけるとうれしいです。
『高羽そら作品リスト』を作りました。出版済みの作品を一覧していただけます。こちらからどうぞ。