ウイルスVS人間の団結力
もはや戦争だと思う。もちろん戦う相手は新型コロナウイルス。世界中の連合軍VSコロナウイルスという様相を帯びてきた。
ただ戦争といっても、人類にとっては積極的な攻撃の段階ではない。ワクチンの開発には1年以上かかるし、症状を緩和させる薬も実用化にはまだ遠い。
いわゆる『3密』を守ることで、感染しない、感染させないことに全力を注ぐしかない。そのために日本全国で自粛が要請され、国家単位では国境の封鎖等が常態化しつつある。
ただし封鎖、あるいは閉鎖によって、反グローバルの空気が蔓延していることに警告を発している人がいる。
『サピエンス全史』のユヴァル・ノア・ハラリ氏、 “新型コロナウィルス”についてTIME誌に緊急寄稿!
とても素晴らしい文章なので、時間のある人は読むべき。ウイルス騒動に関して、新たな視点を持つことができるはず。『サピエンス全史』を読んだときのワクワクがよみがえる内容だった。
くわしくはリンク先の記事にゆずるけれど、ハラリ氏の主張はシンプル。ウイルスに対抗できるのは、人類の孤立化ではなく、手を取り合うことだと述べている。記事の冒頭はこうして始まる。
『多くの人が新型コロナウイルスの大流行をグローバル化のせいにし、この種の感染爆発が再び起こるのを防ぐためには、脱グローバル化するしかないと言う。壁を築き、移動を制限し、貿易を減らせ、と。だが、感染症を封じ込めるのに短期の隔離は不可欠だとはいえ、長期の孤立主義政策は経済の崩壊につながるだけで、真の感染症対策にはならない。むしろ、その正反対だ。感染症の大流行への本当の対抗手段は、分離ではなく協力なのだ』
感染を抑制するためには、都市封鎖や移動の自粛は必要。それはハラリ氏も認めている。ただし肝心なのは、人々の心の繋がりまでも閉じてしまわないこと。そして情報を共有すること。
ウイルスの武器は変異すること。まるで人間をあざ笑うかのように、変異を重ねて人類を追い詰めてくる。だから過去においては、ペストやスペイン風邪で大勢の人が命を落とした。それは世界がグローバル化していなかったから。正確な情報が伝わらないので、被害の拡散を止められなくなった。
だけどいまの時代は、誰かの発見があっという間に世界中へ伝わる。だから被害の著しい国は国境を閉鎖しても、被害の実情を隠してはいけない。中国のような隠蔽体質だと、その後の対応が追いつかない。いまのような時期だからこそ、グローバル化が必要だと主張されている。
ボクもそう思う。デマや不安をあおるような情報ではなく、客観的で冷静な視点にたった正確な情報を共有すること。それこそがウイルスに対抗できるものだと思う。そして事態を直視しつつ、すべての人たちの協力が必要になる。
だから週末だからといって、意味なく外をフラつかないこと。自粛という言葉にうんざりしているかもしれないけれど、いまは協力するしかない。人間の団結力こそが、ウイルスにとって脅威になると思う。
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