鏡になった女性
今日も太陽がまぶしい、とても気持ちのいい朝でした。いつも朝食を食べながら東神戸港に到着するサンフラワーという大きなフェリーを眺めているのですが、今朝は太陽の光を反射した海が輝いて客船が見えないくらいでした。
そんな天気も午後から雲が広がり、写真のように大阪の「あべのハルカス」がかすんでいます。明日は雨かな
さて明日から12月です。楽しみの多い月ですが、メチャ楽しみにしているのが映画『ホビット』の最終作です。敬愛するトールキン氏の作品ですから、今からワクワクして待っています。それに備えて、昨年末に映画館で観た『ホビット』の二作目をTSUTAYAで借りてきました。よく知っている物語ですが、復習をしておくためです。
そのついでに借りてきた映画を今日の午後に観ました。『8月の家族たち』という映画で、原題は『August: Osage County』という2013年のアメリカ映画です。とにかく出演陣がすごい!
メリル・ストリープ
ジュリア・ロバーツ
ユアン・マクレガー
クリス・クーパー
アビゲイル・ブレスリン
ベネディクト・カンバーバッチ
ジュリエット・ルイス等。
とにかくギャラだけで映画の制作費が飛んでいきそうな豪華メンバーですね
ジャンル的に言うとブラック・コメディ的な映画なのですが、かなり好き嫌いが分かれてしまう映画だと思います。人によってはウンザリするだけで終わってしまう映画かもしれません。でも個人的にはとても面白い映画でした!
ある家族の数日を描いただけの映画です。メリル・ストリープ演じるバイオレットは、夫と二人で暮らしています。夫はアル中で、バイオレットはガンを患っているうえに薬物中毒者です。ある日夫がネイティブ・アメリカンの家政婦を雇うと、その直後に失踪します。
父の失踪の一報を受けて、3人姉妹とその家族が集まります。そこでのドタバタを描いただけの、シンプルなストーリーです。でも俳優さんたちの演技が素晴らしいので、画面から目を離すことができなくて見入ってしまいました。
特にメリル・ストリープの鬼気迫る演技は圧巻です。『プラダを着た悪魔』や『マンマ・ミーア!』での彼女が全く別人であったように、この映画のメリル・ストリープもそれらの作品と同じ俳優さんが演じているとは思えません。そこに他の名優たちが絡んできますから、それだけでも私は楽しかったです。
この映画に登場する人物は誰もが問題を抱えています。ジュリア・ロバーツの14歳の娘も例外ではありません。ところが誰もが社会生活を営むうえで、それなりの仮面をかぶっています。それは私たちにも当てはまることですね。日常生活で本性のまま行動したり言葉を発することは極力避けると思います。
ところがバイオレットは元々が言いたいことを言う性格。さらに薬の影響もあって、ありのままの感情をさらけ出すのです。その姿は、結局その家族全員の「鏡」でもあったのですね。バイオレットに引きづられるように、家族全員が隠していたものをさらけ出し、カオスの世界を創り出します。
全員がそろって食べる夕食のシーンは、失笑してしまうけれど、笑えないほどシリアスでハチャメチャでした。たった一人自分をさらけ出す人物がいるだけで、他の人たちにも影響を及ぼす過程が如実に描かれています。愛するがゆえに憎しみを感じる。人間の孤独と家族の抱える問題を提起したような映画でした。
感動したり心癒される映画ではなく、むしろ後味の悪さが残る映画です。でも、また観てみたいと感じさせる映画でした。酷評されているレビューが多いですが、私は大好きな映画です。
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