ガストンとの対話 Vol.29
ガストンさん、未来は運命か自由意志かについて、今日は対話を深めたいと思います。
「現実世界での運命は決まっているが、人間の自我では自由意志として感じるというのがお前さんの見解だったな。それでいいと思うがな」
はい、せっかくの現実世界ですから、自分の選択次第で未来が変わることを実感することが大切だと思います。現実は自分が創造していることも理解できますからね。でも、運命が決まっていると知ることも大切だと感じているのです。
「ほう、なぜそう感じるのか聞こうではないか」
自分に自信が持ててモチベーションが高まっている時は、選択することにエネルギーを注げると思います。でも人生はそんな時ばかりではありません。自分に限界を感じてしまったり、落ち込むこともあります。あの時の選択はあれで良かったのかな……と迷いを感じるのが人間です。そんな時こそ、運命が決まっていることを知っていると、意識のシフトチェンジがスムーズに行くように思うのです。
「大切な気づきだな。未来が運命か自由意志かについては、そのどちらも真実だ。その両面の意味することを理解したうえで、自分の人生に活かすことは有意義なことだな。では具体例をあげて考えみるか。お前さんが書いた『ゼロの物語』について、今の視点から思うことがあるか?」
ストーリーには満足していますが、文章の拙さがとても気になります。初めて書いた物語ですから仕方ありませんが、今ならもっと違った文章で書けると感じています。読み直すと恥ずかしくて……。いつか完全版として書き直すことを願っています。
「文章に関してもっと違った選択ができたということだな。句読点を打つ位置、人物描写、セリフの言い回し。そのひとつひとつが、その瞬間のお前さんの選択で完成されている。まさしく自由意志の結果だ。だが、運命が決まっているとしたら?」
どのように書くかは、あらかじめ決まっていたということですか。自分で考えたように感じていても。
「お前さんはインスピレーションを受け取って書いておったな。ストーリー展開や登場人物の名前。突然どこかからやってきたであろう。それはどこから来た? 時間が幻想だと知っているならわかるのではないか?」
つまり、現在Kindleで発表されている作品から受け取っていたということですか? それをそのままコピーしていたと。もしそうだとしたら、そのありのまましか書けなかったということですね。アハハ、今さら文章が下手だと後悔しても無駄ってことか〜
「卵が先か鶏が先かの話になるが、運命だと考えることは起きた現実を受け入れることだ。自分が迷ったように思っても、選ぶのはそれしかなかったというポジティブな諦めだよ。だが、その精一杯の選択は無駄ではないこともわかるはずだ。自由意志も真実だからな」
運命なのか自由意志なのかは、そのバランス感覚を持つことが大切なのですね。起きた現実はそれしか選択できなかったと受け入れる。そのうえで、さらなる努力を重ねて実現したい未来に向かって自由意志を行使する。この現実世界は不思議で楽しいですね!
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