今日の言葉 1月24日
『つながれていない精神』
世の中の変容は自らの変容によってもたらされます。なぜなら、自己は人間という存在のプロセス全体の一部であり、産物であるからです。自分自身を変容させるためには、自己知がなくてはなりません。ありのままの自分を知らなければ、正しい思考の礎はありません。そして自分を知らずして、変容はあり得ません。
変容することができるのは、現にあるがままの自分であって、そうなりたいと願っている自分ではないのです。あるがままの自分を知るためには、並々ならぬ精神の注意深さが求められます。なぜならば、あるがままは常に中身が変わり、変化しているからです。ですから、その変化に速やかについていくためには、精神が何らかの特定の教義や信条、行動パターンにつながれていてはならないのです。
もし自分が貪欲で、嫉妬深く、暴力的であったなら、非暴力、無欲という理想を抱いたところで、何の価値もありません。自分が醜かろうが美しかろうが、意地悪だろうが腹黒だろうが、そういうありのままの自分を、歪曲せずに理解することが徳の始まりです。徳はなくてはならないものです。なぜなら、それは自由をもたらしてくれるからです。
〜クリシュナムルティ著『四季の瞑想—クリシュナムルティの一日一話』より〜