今日の言葉 4月4日
『欲望の本質』
もし欲望を非難したり、良いとか悪いとか判断したりしないで、単にそれに気がつくと、何が起こるでしょう？ 何かに気がつくということが、どういう意味であるか、お分りですか？ 私たちのほとんどには、気づきがありません。なぜなら私たちは非難したり、判断したり、評価したり、識別したり、選んだりすることに、どっぷりはまり込んでいるからです。
欲望に対して目を向け、それと共に生きてみるなら、つまり、欲望を否定したり、「この欲望はどうしたものか？ こいつはひどく醜悪で、手に負えないほど奔放で猛烈だ」などと言ったり、あるいはそれに名前や記号をつけたり、言葉で覆い隠したりしないようにすれば、欲望はその後も相変わらず混乱の原因であり続けるでしょうか？
私たちが欲望を潰したいのは、一つの欲望が他の欲望とぶづかって引き裂かれ、そこから葛藤や惨めさや矛盾が生じるからです。そしてこの終わりなき葛藤から、どれほど自分が逃避しようとしているか、自分で分かっているからです。では、人の欲望の全容に気づくことができるでしょうか？ 「全容」によって私が意味しているのは、ただ一つの欲望のことでも多くの欲望のことでもなく、欲望それ自体の全体的な本質ということです。
〜クリシュナムルティ著『四季の瞑想—クリシュナムルティの一日一話』より〜
