今日の言葉 11月19日
『魂などどいうものは存在するか?』
私たちはこのようなものが存在すると考えるのが好きです。それは私たちに喜びを与えてくれるものだからであり、また私たちが思考や言葉を超えた彼方に設けたものだからです。それは永遠なるもの、霊的なもので、決して死ぬことがありません。ですから思考はそれにしがみつきます。
しかし時を超えた何ものかである魂、思考を超えた何ものかである魂、人間によってでっち上げられたのではない何ものかである魂、人間の性質を超えている何ものかである魂、ずる賢い精神によって作られたのではない何ものかである魂、このような魂は存在するのでしょうか?
精神にはおそろしく巨大な不安や混乱が見えるし、人生に永遠なるものが何もないこと、そう、何もないことも見えます。あなたと奥さん、ご主人、仕事とのつながり、そう言ったものはどれも永続しません。そこで精神は永遠なるものをでっち上げ、それを魂と呼ぶのです。しかし精神や思考がそれについて考えることができるということは、それは相も変わらず時間の領域にあるということです。
という訳で、いつまでもいつまでも生まれ変わる魂が存続するという観念には、何の意味もありません。なぜなら、それは恐れる精神、欲しがる精神、永久の時を貫く存続を探し求める精神、確かさを求める精神が、でっち上げたものだからです。なぜと言うに、そこには希望があるからです。
〜クリシュナムルティ著『四季の瞑想—クリシュナムルティの一日一話』より〜