SOLA TODAY Vol.199
人間という生き物は、常に上下関係にさらされて生きている。
小学生でも上級生がいるのと同じで、社会人になっても上司が存在する。上司がいない自営業だって、顧客という存在は同じ意味合いを持つ。
そうした上下関係を円滑に進めていくために、言葉は重要なアイテムになる。この春から新社会人になる人たちにとって、目上の人に対する言葉づかいを本格的に意識する季節かもしれない。
そんな上司に使ってはいけない、10の言葉を集めた記事がある。
「了解です!」は失礼!?目上の人や上司に使ってはいけない10の言葉
ちょっと面白かったので、内容を紹介してみよう。
「いってらっしゃい」
これは家族等に使う言葉で、敬意を含ませるには「いってらっしゃいませ」となる。ボク的には「いってらっしゃい」でいいと思うけれどね。
「了解です!」
これは同僚や部下に使う丁寧語。うん、これはわかる。正解は「かしこまりました」か「承知いたしました」になる。
「こんにちは」
えぇ、なんでこれがアカンの? これを単独で言うと、なれなれしくて失礼にあたるらしい。「先日は、ありがとうございます」や「ごぶさたしています」と補足の言葉が必要になるとのこと。う〜ん、そう言われたたそうだけれど、気にしすぎのように思うなぁ。
「言い忘れていましたが…」
正解は「申し遅れましたが」になる。「言う」の謙譲語である「申す」を使い、忘れるというネガティブな言葉を使用しない。なるほど。
「すみません」
時と場合によっては、良い印象を与えないとのこと。「恐れいります」を使うと上品になるらしい。これも微妙な印象だなぁ。
「お疲れ様です」
これは納得。これはボクも社会人になって上司に使わないように意識した言葉。
「ご苦労さまです」
アハハ、これは完全にNGだよね。目上の人に言ってはいけない。
「わかりましたか?」
うん確かに、これは失礼かも。「ご理解いただけましたか?」が正解だろうな。
「さようなら」
これは上司に使わないよね。「失礼します」が正解。「さようなら」は「左様ならば、失礼つかまつる」を略したものだそう。確かに敬意に欠けるかも。
「なるほどですね!」
これは正解にように思えるけれど、まちがった使い方らしい。正確には「なるほど、そうですね!」となる。略すことで目上の人に対して失礼になるとのこと。だけど「なるほど」もいい印象を与えないので、「おっしゃる通りです」が正解。昔なら「御意!」だよねw
こうして見てみると、日本語って難しいと思う。言葉は時代とともに変化していくから、ここに書かれた禁止ワードが絶対ダメだとは限らない。上司だってその言葉を使っていた世代が増えてくるだろうから。
でも言い回しによって敬意を伝えようとするのは、日本語のいい面でもあると思う。小説でも使い分けることで、登場人物の関係を説明する必要がなくなる。逆にあえてNGワードを使わせることで、上司をバカにしているキャラを作ることもできる。
若い人にとっては面倒で、どうでもいいように思うことかもしれないけれど、できる限りこうした微妙なニュアンスを日本語から消さないでほしいと願う。日本語にはそんな微妙な感覚があるからこそ、例えば『色』に関して外国語では考えられないような多くの表現形態を持っているのだと思う。
言葉って、面白いよね!
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