アーティストを復活させる
週が明けて４月になったとたん、やっと本格的な春がきた。桜もちらほら咲き始めたし、鳥たちも楽しそうな啼き声を聞かせてくれている。
厚手のジャケットは手放したけれど、午前中はまだ寒さを感じたのでセーターを着て出た。でも帰り道はそのセーターを脱ぎたくなるほどの陽気だった。
神戸六甲の街を歩いていると、こんな花を発見。花の名前はわからないけれど、あまりに綺麗なので写真を撮らせてもらった。
明後日に出かけるとき、セーターはもういらないかも。５月の声を聞くと暑いと感じる日も出てくるから、さわやかな春の風を今のうちに堪能しておきたい。ヒノキの花粉症の人はそうもいかないだろうけれどね。
３月はかなりバタバタしていたけれど、４月になってもありがたいことにやるべきことが山積み。だから「書く」ということに関して、モチベーションを高めていく必要がある。そんな目的にぴったりの本を読んだ。
『ずっとやりたかったことを、やりなさい。』ジュリア・キャメロン著という本。
これはとても素晴らしい本だった。内容的にはスピ系の雰囲気がプンプン匂うけれど、そういう類の本が苦手な人にとっても読む価値があると思う。
なぜなら著者は映画の脚本や監督をやっている人で、どうすれば自分の中にあるアーティストを目覚めさせることができるかを、わかりやすく具体的な方法を提示して書かれた本だから。
人は誰でも、自分のなかにアーティストの子供を住まわせている。幼いころからその子供を大切に育てていけば、創造的な生き生きとして生活を送ることができる。小説を書いたり、絵を描いたり、楽器を演奏したり。
あるいはそうした芸術的なことだけではなく、事務的な仕事においてさえ、創造力を駆使することができるようになる。なぜなら創造することが、人間が生まれつき持っている本能であるから、と著者は述べている。
ところがそのアーティストの子供を、ボクたちは幼いころに閉じ込めてしまう。その犯人の多くは、心ない教師や両親の言葉だったりする。
心から楽しんでいるのに絵が下手だと言われたり、気持ちよく歌っているのに音痴だと笑われたり。そんな大人の言葉で恥ずかしく思い、自分のなかのアーティストを封印してしまう。
それは大人になっても起きる。社会に出て働きながらも、本当は自分がやりたかったことに気がつくことがある。だけで足を前に踏み出すことができない。子供のころに感じていた恥ずかしさが、成人しても影響を及ぼすから。
失敗したらどうしよう、才能がないと言われたどうしよう、作品を酷評されたらどうしよう。そんなことを思うばかりで、次の一歩を踏み出すことができない。
この本は、どうすれば自分のなかのアーティスト・チャイルドを育てることができるかという疑問について、きわめて具体的なプランを持って答えられている。
実際ボクがすでにやっていることもいくつかあった。そのことを確認できただけでなく、あぁ、なるほどこうすればいいのか、と思うこともあって勉強になった。
著者は脚本や映画監督をやりながら、20年以上も創造性を育てるワークショップを運営している。あまりに問い合わせが多いので、そのノウハウをこの本にしてまとめたということらしい。
あの有名な映画監督であるマーティン・スコセッシも「自らの創造性に触れるための貴重なツール」とこの本を評している。
自分のなかに眠っているアーティスト・チャイルドを目覚めさせたいと感じる人は、この本を読めばその助けになると思う。ただし、実際に行動しないと意味がないけれどね。
この本の続編も出ているようなので、さっそくチェックしてみようと思う。
『高羽そら作品リスト』を作りました。出版済みの作品を一覧していただけます。こちらからどうぞ。
