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高羽そらさんインタビュー

SOLA TODAY Vol.335

ガセネタというのは、ネット社会では当たり前のように飛び交っている。PVを上げるため、嘘や誇張を混じえて事実を歪めてしまう人がいる。週刊誌の記事がその典型で、事実を基にしているだけに、どこからが虚偽なのか判別できない。

 

情報というものは、その内容よりも発信者によって判断される傾向がある。新聞が書いているから、テレビ番組で放送していたから、という理由だけで盲信してしまう人は多いはず。

 

ところがそんなデマを利用して金儲けしようとする人は、現代に限ったことじゃない。テレビやラジオでさえ存在しない時代に、大掛かりなデマで大儲けを企んだ人物がいた。

 

嘘の国を売った史上最悪の詐欺師、270人が死の入植

 

この記事を読んで、最初は笑ってしまった。そんなアホな、が第一印象だった。こんなことで騙される人がいるなんて、信じられない。だけど当事者にしてみれば、死にたい気分だっただろう。そして実際に命を失った人が大勢いる。

 

それは1822年のロンドンでのこと。ヨーロッパは不景気で、投資家は利回りのいいペルー等の南米の国の国債を買うことで利益を確保していた。だけど一般民衆はそんな余裕もないほど大変な時代。

 

そこへある男が現れた。グレガー・マグレガーという人物で、名家の出身。1811年の戦争では果敢に戦い、英雄としてその名を知られていた。いわゆる著名人で、彼の言うことなら誰もが信用してしまう。現代の言葉に直せば、「インフルエンサー」と言われる人だろう。

 

そのグレガーが、モスキート・コースト国のジョージ・フレデリック・アウグストゥス王から、ある国を授けられたと言った。そんな国もないし、そんな国王もいない。モスキートって『蚊』やんか〜〜w

 

その国の名前は『ボヤイス国』という。グレガーはその国の領主として任命され、移住者を求めていると触れ回った。

 

『天然資源が豊富な800万エーカーほどの美しくよく肥えた土地があり、作物を育てれば豊作まちがいなし、海では魚も食用になるカメも豊富にとれる。町から少し離れれば狩りの獲物もどっさりいる。また、川は「純金の粒」でいっぱいだというのだ』とのこと。

 

物価がちがうので、ささやかな費用を出せばその国の土地の所有権を手に入れることができる。そう言って資金を集めた。グレガーは実際にスコットランドの紙幣の印刷機を使って、「ボヤイス銀行」の1ドル札までも作っている。この記事にはその写真もアップされている。

 

金持ちには、ある額を出せば貴族として悠々自適に暮らせると保証した。ある銀行家は資金を出して、ボヤイス銀行頭取の任命状を手にしている。ある貧しい靴屋は、ボヤイス王女御用達の靴屋に決まったと家族に告げた。若い息子がいる家は、ボヤイス軍の将校になる権利を買えないかと必死になった。

 

グレガーは同じ詐欺をスコットランドでもはたらき、大勢の金と人を集めている。そしてご丁寧にも、ボヤイス国に向かう船まで用意した。200人以上の入植希望者を乗せた船は1823年にスコットランドの港を出ている。

 

ところが船がたどり着いたのは、未開地のジャングル。あるのは密林とマラリアが発生しそうな沼だけだった。もちろんグレガーはとっくに逃亡している。270人がボヤイス国と呼ばれた場所に上陸したけれど、無事にイギリスへ戻れたのはたった50人。大勢の人が命を落としている。

 

このマグレガーという名家出身の詐欺師はフランスでも同様の事件を起こし、最終的にはベネズエラに逃亡している。だけど結局罪に問われることもなく、天寿を全うしたらしい。

 

とにかくビックリの事件。情報を得る手段がないとはいえ、こんなデマを信じてしまうことってあるんだね。人間というものは、その情報の内容ではなく、発信している人を信用するのがよくわかる事例。

 

だけど現代人にとって、本当は笑えない話かもしれない。同じようなことが、日常的に起きている。デマはSNSを通じて世界中に拡散して、風評被害等を招いている。いろいろと考えさせられる記事だった。

 

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高羽そら|たかはそら(作家、小説家)プロフィール

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高羽そら(たかはそら)
今後の目標:毎年1つの物語を完成させたいと思います。
生年月日:昭和37年5月10日
血液型:A型
出身地:京都市

【経歴】
1962年京都市生まれ。数年前に生活の拠点を神戸に移してから、体外離脱を経験するようになる。『夢で会える 体外離脱入門』(ハート出版)を2012年1月に出版。『ゼロの物語Ⅰ〜出会い〜』、『ゼロの物語Ⅱ〜7本の剣の守り手〜』、『ゼロの物語Ⅲ〜次元上昇〜』の3部作を、2013年7月〜12月にかけて、オフィスニグンニイバよりAmazonのKindleにて出版。現在も新たな物語を執筆中。

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