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高羽そらさんインタビュー

SOLA TODAY Vol.350

ブラック企業という言葉が定着した感がある。最近では大手製薬会社社員の自殺や、少し前では広告代理店社員の自殺もあった。たしかに限界を超えた労働や、精神的ないじめを含めて、ブラック企業と呼ばれても仕方ない組織があるのはたしか。

 

だけど意外に難しいのは、ブラックとホワイトの線引き。基本となるのは労基法だろうし、残業時間の上限などの目安もある。だけどその線引きに、主観的要素がかなりの比重を占めているように思う。

 

何が言いたいかといえば、法定基準内であってもブラックと感じる人はいるだろうし、反対の場合もあるということ。どの組織にも、そして誰にも当てはまる線引きの基準を設定するのは難しいと感じている。

 

そのことを感じさせる記事を読んだ。

 

残業230時間の会社からホワイトへ転職したのに、適応できなかった

 

ある女性の体験談をまとめたもの。この女性は少ない月で150時間、多い月なら230時間という残業をするという、いわゆるブラック企業に勤めていた。当時のタイムスケジュールを見ると驚く。

 

9時の始業に合わせて出勤。そのまま午前0時ころまで働いて終電で帰宅。自宅まで仕事を持ち帰るので、眠るのは午前2時。そしてまた朝8時に起きて出社するという毎日だった。

 

残業は月30時間しか公式につけられないので、それ以外はサービス残業。それでも30時間をつけていたけれど、他の先輩は0時間だとプレッシャーをかけられれ退職を決意した。

 

それでホワイト企業に転職したけれど、午後6時になると上司が帰宅するようにと言う。当たり前のことなんだけれど、この女性はそのことに対応できなかった。自分は会社で必要とされず、「干されている」と感じたらしい。

 

実際はそんなことはなく、それは会社の方針だった。そのことを理解して勤めたけれど、彼女はどこまで頑張っていいのか自分でわからなくなる。さらに極度の緊張感から解放されたことで、かえってポカミスが増えたとのこと。

 

以前の会社のペースで動くと、部署全体の仕事を奪いかねないほどホワイトな企業だった。だから結局は自分をコントロールできず、この女性はフリーランスとなる。

 

この記事にも書かれているけれど、ブラック企業に勤めていた人が転職してホワイトで働き、最終的にはブラック企業に戻る人が多いらしい。しんどいけれど、自分が精一杯頑張れる場所のほうが、やりがいがあって居心地がいいということだろう。

 

この女性の気持ちは、ボクにはなんとなくわかる。ボクが20代のときに働いていた税理士事務所は、まさにブラック。残業代は完全にないし、所得税の確定申告がピークの3月になると、毎日午前3時くらいまで事務所にいて、自宅には着替えとシャワーのために帰るような状態だった。もちろん土曜日の休日はなし。

 

学習塾の営業をしていたときは歩合制の給料で苦労した。基本給では食べていけないので、毎日午後10時くらいまで街をうろついている。契約が取れそうだったら、日曜日も出勤していた。もちろん残業手当なんかあるわけない。

 

そう思うと京都祇園の芸舞妓事務所は定時で帰れるので、まるで夢のようだった。だけど毎年3月の春分の日が終われば、『都をどり』があるのでゴールデンウィークまで休みがない。ちょっと変則的なブラックだったかも。

 

さらに印刷会社では、意味のない残業に辟易した。工場で残業があると、仕事がなくても事務所に残らなければいけない。今日は早く帰れたと思っても午後9時くらいの日がほとんど。責任者の専務が接待等でいないときなんか、午前2時くらいまで事務所で留守番をしていた。これもある種のブラックだよね。

 

だからホワイト企業で働く自分がイメージできない。完全週休二日制なんて想像の世界でしかない。ブラック的な仕事のやり方が、身体と心にしみついているからだろう。

 

だったら同じしんどいのでも、自分の意思で動けるフリーランスのほうがいい。この女性がフリーランスになったのは、とてもよくわかる。

 

本当にやりたいことをやっている人は、他人がブラックだと思う環境でも生きがいを感じている。だから主観によって感覚がちがうので、法律的なもので線引きしても意味がないように思う。

 

もし行政が主導するのならば、無理だと思ったら組織から自由に抜けられる環境整備を整えることだろう。自分のやりたいことをやれる、新しい社会の仕組みが必要になってくると思う。

 

以前なら無理なことだったけれど、未来には可能なはず。なぜなら仕事の多くがAI等の機械に取って代わるから。さらにビットコイン等の仮想通貨の流通によって、貨幣経済が評価型経済に変化していくから。

 

しばらくは過渡期で混乱するだろうけれど、近い将来に大きなシフトが起きると思っている。そのときのためにも、本当にやりたいことを、必死で続ける自分を育てて置くべきだろう。

 

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高羽そら|たかはそら(作家、小説家)プロフィール

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高羽そら(たかはそら)
今後の目標:毎年1つの物語を完成させたいと思います。
生年月日:昭和37年5月10日
血液型:A型
出身地:京都市

【経歴】
1962年京都市生まれ。数年前に生活の拠点を神戸に移してから、体外離脱を経験するようになる。『夢で会える 体外離脱入門』(ハート出版)を2012年1月に出版。『ゼロの物語Ⅰ〜出会い〜』、『ゼロの物語Ⅱ〜7本の剣の守り手〜』、『ゼロの物語Ⅲ〜次元上昇〜』の3部作を、2013年7月〜12月にかけて、オフィスニグンニイバよりAmazonのKindleにて出版。現在も新たな物語を執筆中。

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