SOLA TODAY Vol.352
北朝鮮情勢が、かなりきな臭い。北朝鮮がグアム近海に着弾する弾道ミサイルの発射計画を表明して以来、アメリカと北朝鮮双方の牽制が続いている。
北朝鮮のこうした強気な態度に関して、これまでは「やる、やる詐欺」的な雰囲気に満ちていたけれど、今回はどうも雰囲気がちがう。ボクは嫌な予感がしている。
アメリカは即座に先制攻撃を取れる体制を整えた。グアムでは攻撃を受けた際の対応が公表されているし、ハワイでさえ退避訓練が実施されている。もし本当にグアムに何かあれば、アメリカは即座に反撃するだろう。
戦争なんて、ちょっとしたきっかけで起きる。子供のケンカは、最初は口だけでののしり合っていたのに、気がついたらつかみかかっていたりする。国同士のやり取りの場合も、こんな子供のケンカのようなことで戦争に発展することが過去にあった。
もし紛争が起きても、北朝鮮のミサイル基地をアメリカが一気に破壊すれば、それで終わりだという意見がある。ところがそんな簡単じゃない。昨日のネットニュースで見たが、北朝鮮は新たな潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)発射実験の準備を進めていることが確認されている。
つまり北朝鮮の本国が攻撃されても、居場所の把握できない潜水艦から核ミサイルで報復できるということ。それは核戦争を意味する。
そんななか、ボクがもっとも気にしているのは中国の対応。実質的に北朝鮮のパトロンである中国がどう出るかによって、世界的な戦争に発展する恐れがある。少し気になる記事を見つけた。
環球時報というのは、中国共産党の機関紙である人民日報の傘下にある。だからここでの記事は、中国政府の意図を含んだものだと考えていいだろう。記事にはこう記されている。
『北朝鮮が先に米国に向けてミサイルを発射すれば、中国は中立を保つべきとの見解を明らかにした。その一方で北朝鮮の体制転換を狙って米国が先制攻撃を仕掛けた場合は、中国は介入すべき』
明らかに北朝鮮が挑発的な行為に出て先に攻撃をした場合、中国としては中立を保つ。だけど北朝鮮政府をぶっ潰すためにアメリカが先制攻撃を行えば、中国は黙っていないという見解。これは後者の出来事が起きれば、アメリカと中国が戦争状態になるということ。
ロシアやNATO諸国に出方によっては、世界戦争になってしまう。当然ながら日本も巻き込まれるだろう。中国の対応としては予想されたものだけれど、問題となるのはその判断の基準。
微妙なやり取りでアメリカと北朝鮮が戦闘状態になった場合、中国がどのように判断するかということ。あいまいさの度合いが高いほど、その判断は難しくなる。中国としては軍事力を考慮すればアメリカと戦いたくないだろうけれど、人間は感情で動く生き物だからどうなるかわからない。
結論から言えば、一般市民であるボクたちはどうしようもない。北朝鮮がグアムに向けてアホな行動を取らないこと、もしミサイルを発射しても日本に落ちないこと、旅客機や船舶に被害が出ないことを祈るしかない。
本音を言えば、北朝鮮のようなめちゃくちゃな国の組織体制は崩壊してほしい。でもそれは国内的なことで成し遂げてもらうのがベスト。外国が介入することで成し遂げた体制転換は、トラブルの火種にしかならない。とにかく、しばらくは北朝鮮情勢から目が離せないね。
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